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2003年09月26日(金) 03時06分

<青戸病院事件>追加輸血準備せず手術 看護婦に指摘されながら毎日新聞

 東京慈恵会医科大学付属青戸病院(東京都葛飾区)の業務上過失致死事件で、逮捕された泌尿器科の医師3人のうち執刀医の斑目旬(まだらめじゅん)容疑者は、被害者の男性(当時60歳)に前立腺摘出の腹腔(ふっくう)鏡手術中、看護師から追加輸血の必要性を聞かれた際に、準備するように指示しなかったことが分かった。院内には在庫の血液がなかったため、急きょ取り寄せる事態になった。警視庁亀有署捜査本部は斑目容疑者の経験不足が判断の誤りにつながったとみている。

 調べでは、手術は昨年11月8日午前9時40分ごろ開始。輸血は事前に用意した約600ミリリットルを使って午後7時前から始めた。当初から院内には男性と合う血液(AB型)の在庫がなく、同区内の赤十字血液センターから運んでくるのには時間がかかることが分かっていた。

 輸血を開始した直後の午後7時過ぎ、手術を開始してから約9時間半後にようやく患部の摘出を終えた。同大関係者によると、患部を摘出したころ、準備した血液量では不足することを懸念した看護師が「追加の輸血が必要だったら早めに言ってください」と伝えた。だが斑目容疑者は「出血する段階は終わった」などと話し、追加輸血の準備は指示しなかったという。

 ところが、出血は止まらず続いた。前立腺の周囲には細かな静脈があり、その結紮(けっさつ)技術が未熟で止血を十分に出来なかったためだった。斑目容疑者らは、午後9時過ぎになって追加の輸血が必要と判断し、血液センターに追加分を要求した。しかし、輸血が再開されたのは同10時半ごろで、男性は間もなく心停止状態になったという。

 複数の専門医によると、通常はこの手術では輸血用の血液は1000ミリリットル前後を用意するという。捜査本部は、事前の準備不足に加え、追加輸血の判断が遅れたことが、男性の死亡につながった一因とみている。【草野和彦、川辺康広】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030926-00000114-mai-soci