2003年09月25日(木) 12時27分

中村被告に２審も無期懲役　東京高裁、松本サリンなど（共同通信）

　松本サリンなど４事件で殺人、殺人未遂などの罪に問われた元オウム真理教幹部中村昇被告（３６）の控訴審判決で、東京高裁の仙波厚裁判長は２５日、無期懲役とした１審東京地裁判決を支持、検察、弁護側双方の控訴を棄却した。
　教団をめぐる一連の事件の１審で死刑を求刑されたのは１４人。松本智津夫被告（４８）＝教祖名麻原彰晃＝ら３人を除く１１人が既に判決を受けたが、無期懲役に軽減されたのは中村被告と元幹部井上嘉浩被告（３３）＝検察側が控訴＝だけだった。
　１審判決が松本サリン事件への関与について「未必の殺意による犯行」としたのに対し、控訴審で検察側は「確定的殺意による犯行。死刑とすべきだ」と主張。弁護側は「殺意はなく、今は反省している」と有期刑を求めた。
　判決理由で仙波裁判長は「サリンをまくことは犯行前に認識したが、ボツリヌス菌培養など多くの失敗経験から多数の死傷者が出ることを見越していたとまではいえず、確定的な殺意とするには疑いが残る」と述べ、１審の判断を支持した。（共同通信）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030925-00000076-kyodo-soci