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2003年09月25日(木) 03時12分

医療事故で慈恵医大青戸病院の医師3人逮捕医療事故により医師が逮捕された東京慈恵会医大青戸病院から段ボール箱を運び出す捜査員=25日午前、東京都葛飾区産経新聞

 東京慈恵会医大青戸病院(東京都葛飾区、落合和彦院長)で昨年11月、前立腺がんの摘出手術を受けた男性患者=当時(60)=が1カ月後に死亡する医療事故があり、警視庁捜査一課と亀有署は25日、業務上過失致死容疑で同病院の医師3人を逮捕した。26日に別の医師3人を書類送検する。

 逮捕されたのは、いずれも泌尿器科の斑目旬(38)、長谷川太郎(34)、前田重孝(32)の3容疑者で、書類送検されるのは診療部長(52)ら3人。

 手術は腹腔(ふくくう)鏡という器具を使って行われたが、高度な技術が必要とされ、捜査一課は(1)手術経験の浅い斑目容疑者らが担当した(2)より安全な開腹手術への変更が遅れた(3)大量出血に備えた輸血用血液の確保を怠った−ことが事故を招いたと判断、異例の強制捜査に踏み切った。

 調べでは、男性患者は昨年11月8日、同病院で前立腺がんの摘出手術を受けたが、止血処理が十分にできず、出血多量による低酸素状態で脳死状態に陥り、12月8日に死亡した。

 腹腔鏡手術は、腹を開く開腹手術に比べて傷口が小さいことや、日常生活への復帰が早いため普及。開腹しないためテレビモニターの画像を見ながら手術をしなければならず、熟練した技術が必要とされている。

 腹腔(ふくくう)鏡手術 腹部に1センチ程度の穴を開け、内視鏡の一種である腹腔鏡を挿入し、先端に付いたカメラで撮影した内部の様子をテレビモニターで見ながら、別の穴から体内に入れた電子メスなどを使って行う手術。従来の開腹手術に比べ、入院期間が短くなるなど患者の負担が大幅に軽減される一方、医師には熟練した高度な技術が必要とされ、日本内視鏡外科学会は、執刀医について10例以上の助手経験があるなど厳しいガイドラインを定めている。

http://www.sankei.co.jp/news/030925/0925sha038.htm