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2003年09月25日(木) 12時55分

MS、トロン陣営と提携 「独自路線」から転換?朝日新聞

 ソフトウエア最大手の米マイクロソフトが、日本国産の基本ソフト(OS)「トロン」を情報家電向けに改良する共同組織「T—エンジン・フォーラム」に加わり、次世代ソフトの研究で提携する。パソコン用ではマイクロソフトのOS「ウィンドウズ」に敗れたトロンだが、日本が強い情報家電でトロン陣営が主導権を奪い返している。パソコンが成熟商品となっている一方、情報家電は急成長が見込まれることから、巨人・マイクロソフトも「独自路線」から転換したとみられる。

 トロンの開発者でフォーラム会長の坂村健・東大教授と、マイクロソフトの古川享副社長が25日、発表した。

 マイクロソフトはフォーラムに参加し、情報家電向けトロンと連動して動くウィンドウズを開発することを目指す。

 フォーラムは昨年6月に設立され、日本の大手電機メーカーなど約250社が参加している。インターネットの常時接続や無線LANなどの普及で、様々な家電がどこでもネット接続できる環境が整ったのに合わせ、ネット接続できる情報家電向けトロンの開発を進めてきた。

 情報家電向けOSではトロンのほか、設計図にあたるソースコードが無償で公開されているOS「リナックス」の活用も急速に進んでいる。こうした状況を受け、経済産業省と電機業界は情報家電のOSにトロンかリナックスを採用して規格統一することで一致、「脱ウィンドウズ」を打ち出していた。

 一方、マイクロソフトもパソコン市場が世界的に低迷する中、情報家電向けに力を入れる戦略を独自に打ち出していたが、共同研究するのが得策と判断した。古川副社長は会見で「トロンとウィンドウズが一つの機器でともに動く環境を作りたい」と述べた。

 パソコン用では圧倒的なシェア(市場占有率)で市場の支配力を強めるマイクロソフトの参加に対して、関係者の間には「トロンの取り組みが認められた」という見方が広がっている。

 【トロン】コンピューターの頭脳部にあたる基本ソフト(OS=オペレーティングシステム)。日本独自のOSとして、坂村健・東大教授が80年代半ばに開発した。マイクロソフト製に対抗するパソコン用OSとしても有力視されたが、日米通商摩擦の標的の一つになり、普及しなかった。だが、反応速度が速く同時に複数の指示を素早く実行できる利点があり、携帯電話や自動車エンジンを制御するコンピューターシステムなどで広く採用されている。(09/25 11:58)

http://www.asahi.com/business/update/0925/079.html