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2003年09月25日(木) 07時20分

<医療事故>腹腔鏡手術で止血ミス 3医師を立件へ 警視庁毎日新聞

 東京慈恵会医科大学付属青戸病院(東京都葛飾区、落合和彦院長)で昨年11月、前立腺がん摘出の腹腔(ふっくう)鏡手術を受けた千葉県松戸市内の患者の男性(当時60歳)が、止血ミスのため脳死状態になり、1カ月後に死亡する事故があった。警視庁捜査1課と亀有署は、この手術は同病院で初めてだったにもかかわらず、経験の乏しい医師だけで手術に踏み切った過失があったとみて、泌尿器科の医師3人を、近く業務上過失致死容疑で立件する方針を固めた。

 同課によると、男性は前立腺がんと診断され、昨年11月5日に入院した。3日後に腹腔鏡手術を受けたところ、静脈の止血が不十分で出血多量となり、開腹手術に切り替えた後も出血が続いた。輸血をしたが間に合わず、低酸素状態が原因で脳死状態になり、12月8日に死亡した。

 前立腺摘出の際は、周囲の静脈の止血が重要なポイントの一つで、腹腔鏡手術の場合は難易度が高く、厚生労働省は最先端の医療として高度先進医療の対象技術に承認している。

 ところが、この手術を執刀した同科の医師(38)は助手として2度しか経験がなく、助手を務めた34歳と32歳の医師2人はまったくなかった。同課はこの3人だけでなく、経験豊富な指導医が立ち会うか、医療スタッフがそろった病院に男性を転院させるなどの措置を取るべきだったとみている。

 同病院はこの医療事故を警察に通報せず、遺族が千葉県警松戸署に届けて発覚した。【草野和彦、川辺康広、長谷川豊】

 腹腔鏡手術 腹部に5〜10ミリの穴を数個開け、内視鏡の一種でレンズがついた腹腔鏡と、細長い器具を挿入し、モニターを見ながら行う手術。87年にフランスで初めて実施され、日本では90年に導入、傷跡が小さく術後回復が早いことから急速に普及した。臓器を直接触らないために熟練が必要とされ、日本内視鏡外科学会は92年、執刀するには「助手として10例以上の経験を積んでいること」など5項目の条件を挙げている。また、来年4月の導入を目指し、診療科目ごとに技術認定制度を検討中。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030925-00000144-mai-soci