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2003年09月25日(木) 03時13分

慈恵医大青戸病院で手術ミス、医師6人立件へ読売新聞

 東京慈恵会医科大付属青戸病院(東京都葛飾区)で、前立腺がんの摘出手術を受けた男性患者が手術の1か月後に死亡していたことが24日、明らかになった。

 警視庁捜査1課と亀有署は、この手術で医療ミスがあったとして、手術を担当した同病院泌尿器科の男性医師(37)ら医師6人を業務上過失致死容疑で立件する方針を固めた。医療ミスをめぐり、6人もの医師が業務上過失致死容疑で立件されるのは極めて異例だ。

 調べによると、男性医師らは昨年11月8日、千葉県松戸市の男性患者(当時60歳)の前立腺がん摘出手術をした際、輸血量の不足などから、脳内の血液が少なくなる低酸素脳症に陥らせ、12月8日に死亡させた疑いが持たれている。

 手術は、腹部に3、4か所の穴を開け、内視鏡を挿入してモニター画面を見ながら行う「腹腔(ふっくう)鏡下手術」で実施した。

 医療関係者によると、この手術法は手術痕が小さいことや、回復も早いことなどを理由に患者からの要望が多いが、モニター画面を見ながらの手術のため大量出血を招く危険性も高い。また、出血が始まった場合、開腹手術に切り替えないと止血が困難なため、通常の開腹手術より多量の輸血準備が必要だという。

 警視庁は今年6月ごろから、病院関係者から事情聴取した結果、この手術法を実施するには、輸血の準備量が不十分だったことなどが判明した。手術には医師6人がかかわったが、警視庁は、このうち男性医師ら3人の責任が重いとみている。

 死亡した男性患者は数年前、前立腺肥大で同病院に通院し始めた。昨年9月に前立腺がんと診断。男性の死後、同病院は、院内に事故調査委員会を設置し、原因究明にあたっている。

 同病院は、東京慈恵会医科大の5つの付属病院のうちの1つ。約20の診療科目を持つ地域の中核病院になっている。

 この医療ミスについて、同病院の広報担当者は、読売新聞のこれまでの取材に対し、「警察が捜査しているので何も言えない」と話している。

 医療ミスに絡み複数の医師が業務上過失致死容疑で立件された事件は、昨年の埼玉医大抗がん剤過剰投与で4人が、今月の東京都立豊島病院医療機器不具合で3人が、いずれも書類送検されたケースなどがあるが6人の立件は異例という。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030925-00000001-yom-soci