携帯メールを災害情報伝達に活用へ来月から神通川水系砂防事務所（東京新聞）

2003年09月25日(木) 00時00分

　携帯電話のメール通信網を使い、土砂災害情報を行政と住民が相互に交換する新システム「おたすけ連絡盤」の導入を、国土交通省神通川水系砂防事務所が来月から計画している。上宝村役場で二十四日、同システムの説明会があり、住民ら約六十人が聞き入った。

　同システムは三重県四日市市が導入しているが、国の機関が導入するのは初めて。活火山・焼岳があり、北アルプスの急峻（しゅん）な地形で土砂災害が多い同村では、災害時の情報伝達が課題となっていた。

　新システムは、災害時に電話や携帯電話の利用が集中して使いにくくなることを想定。メール機能を利用した連絡盤を事業所や住民宅に設置し、災害時でもスムーズに情報をやり取りする。

　連絡盤には「防災体制に入りました」「避難準備を」「付近で災害が発生」など、行政から住民、住民から行政の二方向でそれぞれ五項目のボタンを設置。ボタンを押して送受信し、点滅ランプで相手が受信したかどうかも確認できる。

　同事務所ではまず、来月上旬にも十五台の連絡盤を管内の事業所や住民宅に設置し、試験運用を開始する。同事務所では「試験運用でどんな項目が必要かなどを探り、普及を実現させたい」と話している。

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