悪のニュース記事

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2003年09月24日(水) 12時32分

春秋日経新聞



 パウエル米国務長官が闘う姿勢を強調し、シラク仏大統領が資金分担を呼びかける。足並みをそろえたかのような国連総会の発言は、エイズを巡る討議でのものだ。イラク問題での米欧対立の行方が注目される今総会は、2年前のエイズ特別総会後の取り組みを検証する場でもある。

▼先のエビアン・サミットでは、世界のエイズ対策のため5年間で150億ドルの投入を決めた米国をシラク氏が激賞。仏政府も世界保健基金への拠出を3倍に増額した。こうした支援で、世界に4200万人といわれるエイズウイルス(HIV)感染者の何割かが救われるなら、「米主導」への抵抗は少なかろう。

▼日本も貢献を迫られる立場だが、実は悩ましいのは懐具合だけではない。若い世代における性感染症の広がりが深刻なのだという。産婦人科医の北村邦夫さんによると、都内の産婦人科を訪れた15—19歳の4人に1人がクラミジア感染症にかかっていた。

▼この病気にかかるとHIVに感染する可能性は数倍に跳ね上がる。厚生労働省の予測では2006年末のHIV感染者数は01年末の2倍強の2万2000人。避妊・感染への備えの甘さは状況をさらに深刻化させかねない。人道問題での国連の役割に日本が深くかかわるためにも、自らの振る舞いへのチェックを。

http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20030924MS3M2400I24092003.html