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2003年09月24日(水) 03時03分

公立病院でB型肝炎感染血を輸血…日赤が情報入力ミス読売新聞

 B型肝炎ウイルス感染者と事前に判明していた献血者の血液が、日本赤十字社のデータ入力ミスから廃棄されず、先月、神奈川県内の公立病院で輸血に使われていたことが、23日わかった。

 「神奈川県赤十字血液センター」(横浜市)で、献血者の病原体検査の結果を伝える文書を作成しなかったため、献血者情報を管理するコンピューターへの入力漏れが起きた。患者は11日に緊急検査を受け、今のところ感染は確認されていないが、今後1年間は定期的な検査を受ける。

 消化器疾患で吐血し、救急車で運ばれてきた患者が、輸血を受けたのは先月1日。患者はその後回復して退院したが、同センターが、一連の輸血用血液の検査すり抜け問題を受けて、過去の献血者情報を調べ直したところ、同20日になって、入力漏れが判明した。

 同センターなどによると、昨年9月に献血された血液が原因でB型肝炎に感染したと疑われる事例が医療機関から報告されたため、今年4月、東京都赤十字血液センター(東京・渋谷区)が精度の高い手法で保管血液を再検査し、献血者のウイルス感染がわかった。

 再検査の結果は、神奈川県センターの医薬情報部門に連絡され、品質管理部門を経て、検査部門でコンピューターに入力される。情報の伝達は文書で行われ、入力後再確認しているが、今回は担当者同士が口頭で情報を伝えたものの、文書を作成し忘れたため、入力自体がなかったという。

 コンピューターの献血者情報に「B型肝炎ウイルス感染」という再検査結果が反映されれば、同じ献血者が新たに献血しても、血液は廃棄される。

 しかし再検査結果が反映されないと、献血者にも連絡が行かない。このため感染を知らなかった献血者は今年7月、再び献血に訪れ、通常の検査で異常が見あたらなかったため、この人の血液が同県内の公立病院で使用された。

 7月の献血血液からは、再検査でもB型肝炎ウイルスは見つからなかったが、この献血者は検出限界ぎりぎりのウイルス量が持続する「低濃度キャリア」と呼ばれる、特殊な感染者とみられる。

 神奈川県赤十字血液センターの諏訪セイ三所長の話「患者に迷惑をかける結果となり、本当に申し訳ない。入力ミスの原因をきちんと調べ、再発防止を図りたい」(セイは「王」へんに「成」)

 ◆低濃度キャリア=検出限界ぎりぎりの極めて少ないウイルス量が持続するタイプの感染者。普通はB型肝炎ウイルスに感染すると、1—2か月でウイルスが増え、献血時の検査で検出できるようになるが、低濃度キャリアは、何度も検査をすり抜ける恐れがある。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030924-00000001-yom-soci