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2003年09月22日(月) 00時00分

『安全機構』に東電社員 原発検査、独立性に疑問も 東京新聞

 国による原発の検査の一部や法定化される電力会社の自主検査を審査するため十月に発足する独立行政法人「原子力安全基盤機構」に、規制を受ける側の東京電力から社員十二人が出向することが二十一日分かった。

 同機構を所管する経済産業省原子力安全・保安院は「検査部門に電力会社からの出向者は配置しない」としているが、規制業務の一翼を担う組織に、規制対象企業の社員が出向することで、検査の独立性に疑問の声が上がりそうだ。

 出向するのは原発での勤務経験を持つ社員らで、十月一日の同機構発足に合わせて異動。東電広報部は「原子力技術に詳しい人を出向させてほしいと国から要請があった」と説明している。

 昨年八月に発覚した東電の原発トラブル隠しでは、東電による自主検査での不正が問題となった。再発防止策の一つとして、今年十月からは電力会社による自主点検を法定化し、同機構が検査の方法など実施体制を審査する。

 同機構は職員約四百二十人で発足予定。さらに国が受け持っていた原子炉等規制法と電気事業法に基づく検査のうち、より専門的な部分も担う。

 東電からの出向者は、検査部門ではなく、防災支援や原発の安全確保に関する情報収集などの部門に配属されるという。

 保安院の独立行政法人設立準備室は「原子力安全基盤機構には国の委託事業を行ってきた公益法人の業務が移管される。公益法人にはこれまでも電力会社の社員が出向しており、円滑に業務を進めるためには出向者を受け入れることが適当と考えている」としている。

 ◇メモ 原子力安全基盤機構

 原発など原子力施設の安全確保に向けた基盤整備を目的に10月1日に発足する独立行政法人。国が実施してきた原発の定期検査の一部を引き継ぐほか、新たに法定化される電力会社による自主検査の実施体制を審査。原発設計の安全性解析・評価、原子力防災業務の支援、原子力の安全確保に関する調査も担う。公益法人の原子力発電技術機構などに国が委託していた業務も移管される。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20030922/mng_____sya_____004.shtml