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2003年09月19日(金) 18時49分

ヤミ金尽きぬ悪知恵、女高生に「小遣い」渡し名義借り読売新聞

 ヤミ金融の活動を封じるため、返済金の振り込みに利用されている疑いの強い預金口座を強制解約したり、利用停止にしたりする銀行が増えている。金融庁も不審な口座の情報を銀行側に積極的に提供し、解約などの措置を促す構えだ。対するヤミ金融は、若者に「小遣い」を渡して借名口座を作るなど悪知恵を凝らすしぶとさで、銀行側は口座開設時の本人確認の強化にも乗り出している。

 全国銀行協会によると、昨年から今年7月までに全国135の協会加盟銀行が、計2269口座について解約または利用停止の措置を取った。今月には弁護士らのグループが、東京三菱、UFJ、三井住友、みずほの4大銀行に対し、ヤミ金融業者が利用している1560口座を解約するよう求めている。

 こうした動きを受け、金融庁は、全国10か所の財務局(財務支局を含む)で多重債務者などからヤミ金融被害の相談を受けた場合、業者が振り込み先に指定した口座を銀行に通報することを決めた。さらに、自治体や警察、被害者救済団体などで作る各地の「ヤミ金融対策会議」に対し、口座情報の受付窓口を設けるよう働きかける。

 これに対し、ヤミ金融の間では、若者に名義貸しをさせるなどして新たに口座を開く動きが出ている。

 首都圏の都銀支店では、同じ高校の女子生徒が次々に来店し、生徒手帳を見せて口座を作ろうとした。不審に思った行員が表に出て様子を見たところ、男が支店の前に女子生徒数人を集め、1万円札を手渡して口座の開き方を説明するなどしていたという。支店側は「ヤミ金融の不正行為に使われる可能性がある」と判断し、女子生徒たちからの申し込みを断った。

 この都銀は「手軽に小遣いをもらえるので、ヤミ金融に名義を貸す若者が増えているようだ。本人が来店して身分証明書も見せるので、チェックが難しい」とこぼした。

 偽造の保険証を使って口座を開くケースも相次いでいる。保険証は顔写真が不要で免許証やパスポートに比べて偽造しやすいためと見られる。金融庁は「高齢者など免許証を持っていない人もいるため、保険証での口座開設は認めざるを得ない。支店窓口でおかしな点がないか注意してもらうしかない」としている。

 一部銀行では警察出身者などを加えた対策チームを作り、〈1〉同じ保険証で口座が次々に作られたり、住所と口座開設支店が極端に離れていたりするなど、不自然な点をチェックする〈2〉高校生などから口座開設の申し込みを受けた場合は、利用目的を尋ねる——などの徹底を図っている。

 全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の本多良男事務局長は、「口座解約は、ヤミ金融業者への送金手段を断つことになり、効果は大きい。すぐに別の口座を開かれても、銀行が口座を厳しく管理すれば、ヤミ金融を追い詰めることができるはず」と話す。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030919-00000006-yom-soci