2003年09月18日(木) 00時00分

給与支払い報告書盗難 内部で『不祥事隠し』 横浜市西区　被害者に説明せず （東京新聞）

　ことしに入り不祥事が相次ぐ横浜市で、今度は「不祥事隠し」が明らかになった。西区役所で、市民の給与支払い報告書が盗まれ、第三者に郵送された。区は少なくとも二年半前に事実を把握しながら、被害者となる市民に知らせず、市当局にも報告しなかった。

　報告書が無くなっていると分かった二〇〇〇年二月から現在まで隠していたことについて、十七日に会見した西区は「誤って破棄された可能性もあった」と釈明した。

　一年後の〇一年三月、無くなった報告書の一部が第三者に郵送された。この段階で盗難が判明したが、関係する市民や企業にも連絡しなかった。

　当時の区長ら区幹部は事実を知っていたが、市財政課などに報告せず、区役所内部でとどめた。

　西区は「郵送がいったん無くなり、これ以上広がらないと思った。しかし当時、公表するべきで申し訳なく、反省している」と頭を下げた。

　今月、郵送された方法は、〇一年と全く同一。西区役所課税課の封筒に三枚つづりの一枚が入れられ、封筒の表には、盗まれた報告書のうち、別の市民の住所が切り張りされていた。

　盗まれたのは西区、旭区、磯子区在住の三百三十四人分。〇一年にはいずれも西区の区民に郵送され、今月は西、旭区民に郵送されている。

　西区は、「何の目的で盗み、郵送しているか分からない」としている。

　　（金杉　貴雄）

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20030918/lcl_____kgw_____001.shtml