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2003年09月18日(木) 00時00分

国立長野病院事故、遺族に謝罪事故原因や再発防止などについて説明する進藤政臣院長(中央)と武藤正樹副院長(左)=上田市緑が丘の国立長野病院で朝日新聞・

 上田市緑が丘の国立長野病院で、頭部手術を受けた男子中学生(15)が再手術の末に死亡した医療事故で、進藤政臣院長らは17日記者会見し、患者や遺族に対して謝罪した。血液吸収綿を頭内に残したまま縫合したミスは認めたものの、直接の死亡原因については調査中として明らかにせず、院内の医療安全委員会で再発防止策の検討に入ったことを明らかにした。上田署は業務上過失致死容疑で捜査を始めた。遺族側は裁判を起こす構えだ。

  進藤院長や武藤正樹副院長は記者会見の冒頭、「このような事態を引き起こし、亡くなられた患者さんやご家族の皆さんには病院として深くおわびします」と深々と頭を下げた。

  進藤院長は、経過説明の中で、綿を取り除く手術で全身麻酔開始後に患者の容体が急変した原因について、「合併症として患者が持っていた肺高血圧症の悪化が考えられる」と述べた。

  置き忘れた血液吸収綿について「なぜ使用枚数を数えなかったのか」との質問に対しては、「脳外科のマニュアルにはなく、今後、数えるよう検討したい」と答えた。

  さらに進藤院長は「血液吸収綿の数の確認や、異物がないかを確認する手術後のエックス線検査のあり方、危険性の高い麻酔の適応などについて医療安全委員会で外部の専門家の意見も聞きながら検討していく」との考えを示した。

  また、中学生の家族に対しては「手術の危険性や、緊急性について担当医から説明をさせ、同意書もとって手術をした。今後も誠心誠意対応したい」と説明した。担当医の処分についても委員会を開いて検討するという。

  遺族の両親らは「子どもは、日常生活には何ら支障のない暮らしをしていた。それなのに、手術した個所に忘れ物なんてとんでもない。3回目の手術の時、麻酔を連日して大丈夫かとの確認をしたのに、リスクは高いとだけ答えて、手術をしてしまった。裁判で責任の所在をはっきりさせたい」と話している。

(9/18)

http://mytown.asahi.com/nagano/news01.asp?kiji=3588