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2003年09月17日(水) 23時13分

スモッグの一因、揮発性有機化合物の排出に法規制へ朝日新聞

 光化学スモッグや浮遊粒子状物質(SPM)の原因になるトルエンなど揮発性有機化合物(VOC)の大気中への排出について、環境省は17日、初めて法的な規制に乗り出すことを決めた。印刷工場などから出るVOCは、窒素酸化物などと並び大気汚染の4大物質といわれるが、物質が数十種類にものぼり、印刷、塗装など用途も多いことから規制は先送りされてきた。しかし、このままでは目標の10年度までに環境基準達成は困難で、対策を迫られていた。

 この日の中央環境審議会大気環境部会のやりとりなどから、大気汚染防止法の改正や新法制定が検討課題になるとみられる。近く学識経験者らによる検討会を設ける。

 環境省によると、昨年度、スモッグの原因になる光化学オキシダントの濃度が基準を満たした調査地点は全国で0・5%にとどまり、呼吸器疾患を起こすSPM基準の達成率も50%を切った。

 SPMはこれまで車の排ガスや工場のばい煙などが主な発生源とみられたが、SPMの3〜5割はVOCが作用していることが分かった。このため、環境省は10年度までの大気環境基準を達成するにはVOCの排出抑制が効果的と判断した。

 排出を抑えるには、VOCを使う油性塗料、インキから水性への転換促進や活性炭を使った吸着のほか、貯蔵、使用施設の密閉性を高めることなどが考えられる。

 米国では90年に、VOCを使う施設に対し排出量を抑える技術基準を定めており、欧州もEU(欧州連合)指令で排出濃度などを決めている。1平方キロあたりのVOC排出量は00年、米国が1・9トン、EUが3・6トンなのに対し、日本は4・9トンに上るという。

 日本は大気汚染原因となる4大物質のうち、公害病対策の観点から硫黄酸化物や窒素酸化物の削減を優先してきた。VOCは、単一の物質ではなく種類が多いことや用途の広さなどから取り残されてきた。

(09/17 23:13)

http://www.asahi.com/national/update/0917/042.html