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2003年09月15日(月) 00時00分

スーパー戦争(下)−大型化の波 東京新聞

 深夜競争を横目に見ながら、「スーパーセンター」と呼ばれる超大型店を全国に展開する「ベイシア」(本社・伊勢崎市)は「深夜化はしません」と断言する。同社系列全国六十五店すべてが午後八時に営業を終えるという。

 昨年十二月、二十四時間営業で火花を散らす「マックスバリュ」と「フレッセイ」両吉岡店の中間地点、吉岡町の産業道路沿いに、同社系列の「カインズホームスーパーセンター吉岡店」を開いた。売り場面積約一万三千平方メートルで同社の中で県内一の広さ。ホームセンターと「ベイシア」の食品部門を一体化させ、各種工具から木材、食品までを網羅、深夜競争に「大型」「日中営業」「総合力」で真っ向から勝負を挑んだ。

 統一レジを設け、一度の支払いで何でも買えるという便利さや、圧倒的な商品数と品ぞろえから、休日には広大な駐車場が家族連れの車でいっぱいになる。

 同社は、「確かに深夜営業をやってほしいという声もあります」と前置きしながら、「営業時間を延ばしたからといって、売り上げが大幅に上がるわけではありません」と言い切る。社員に負担がかかるうえ、食品などの質の低下で顧客の満足度も落ちると判断する。「周り(の店)が遅い時間までやれば、深夜に(客を)取りきれない部分はあるが、大きな母体ではないですから」と深夜化の流れを気にする気配はみられない。

 全国六十五店すべての月額売り上げが対前年比プラスという上り調子の同社。同店の出店を気にする競合他社が、深夜営業で「(同店の)取りきれない部分」の獲得に奮闘している構図も浮かんでくる。

 しかし、大型店舗なりの弱みもあって簡単に深夜化できない事情もある。防犯管理上の問題や、広さから必要になってくる多額の人件費。「費用対効果を考えると難しい」(同社)という。吉岡店の例では、ホームセンターは朝、食品部門は夕方と、客のピーク時間帯が異なる。開店時間の繰り上げを望む声と、営業時間の延長を望む声が寄せられ、戦略を練るうえで板挟みになっているという。

 こうした事情をふまえ、十月上旬に開店予定の「カインズホームスーパーセンター富岡甘楽店」(甘楽町福島)は、午前八時から午後九時まで営業するという。営業時間の拡大という顧客ニーズも取り入れながら、「大型化」の波に乗り、同社は全国に続々と店舗を増やしている。

 ※この企画は、市毛 史歩子が担当しました。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/gnm/20030915/lcl_____gnm_____001.shtml