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2003年09月10日(水) 06時06分

「ドン・キホーテ」で“ドン”対立、区は板挟みに読売新聞

 総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」(本社・東京)が、都内10区の店舗でテレビ電話を使って医薬品の無料提供を行っている問題で、厚生労働省と東京都が真っ向から“対立”している。両組織のトップが「現在の法律では違法」(坂口厚労相)、「どこが悪いんだ。大いに奨励する」(石原都知事)と、正反対の意見を表明しているからだ。薬事法の解釈権を持つ国と、事実上、指導を仰ぐ都の板挟みとなって苦しんでいるのが、最終判断を下すことになる各区役所。大半は「結局、国の方針に従うしかないのでは」と話すが、出口は見えない。

 ◆宣戦布告◆

 東京・六本木にあるドン・キホーテの「薬剤師センター」。医薬品がずらりと並んだ1室に詰める3人の薬剤師が、午後10時から午前6時までテレビ電話を介して都内10店舗を訪れる客と応対している。

 せきが出て眠れないという女性や、39度の熱を訴えた男性などに、薬剤師がテレビ電話のモニターをのぞきながら、簡単な問診を行い、せき止めや風邪薬の分量を決めていく。

 同社は先月1日から、テレビ電話による医薬品の販売を始めたが、厚労省や都の指導を受けて中止。代わりに今月1日からは、深夜に発熱したり、腹痛を起こしたりした人などに限って、薬剤師がテレビ電話で相談に乗って必要最小限の薬を無料提供することにした。9日朝までに無料提供を受けた客は計67人。

 「(無料提供は)社会還元、人道的対応として行うもの」。先月20日に記者会見した安田隆夫社長はそう説明し、再度、同省から指導を受けた場合は、「徹底的に戦わせていただく」と、宣戦布告してみせた。

 ◆原則◆

 「販売しようと無料提供しようと、薬店が医薬品を授与すれば薬事法の規制の対象だ」。厚労省は、同社からの挑戦を門前払いしたうえで、「薬剤師が不在で、医薬品を管理できないと、安全性に問題が生じる」と、原則にこだわる。

 今月3日に開かれた政府の総合規制改革会議の作業部会では、同省側は「(夜間に急病になった時でも)都内には救急病院がある」「特定企業の営業活動を援助する目的で議論するのか」とまで言ってのけた。これに対し出席した委員らが「待ったをかけるのは、特定の既得権益の擁護か」と憤激する一幕もあった。

 ◆板挟み◆

 問題を複雑にしたのは、今月5日、石原都知事が会見で「薬剤師が事情を聞いて薬品を提供するのは、どこが悪いんだ。大いに奨励する」と宣言したからだ。

 この発言に、最終的な医薬品販売業の許可権限を持つ各区に衝撃が走った。

 「知事発言は判断材料に入っていない」(港区)、「粛々とやるだけ。国の方針に尽きる」(中野区)などという意見が大半だ。

 しかし、「本来は法に従って粛々と指導を行うべきだが、(指導を仰がねばならない都の判断だけに)様子を見ようと判断した」という江戸川区は、5日夜に予定していた立ち入り調査を、知事発言を受けて直前になって見合わせた。

 厚労省は、「我々の法解釈から逸脱する区があれば、我々が区を直接指導することになる」と強気の姿勢を崩しておらず、最終決着までは、まだまだ予断を許さない状況だ。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030910-00000501-yom-soci