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2003年09月09日(火) 03時01分

医療器具販売会社幹部を書類送検 都内の医療過誤で死亡事故が起きたジャクソンリース回路(左)と気管切開チューブ(白色部分)の組み合わせ部分産経新聞

 東京都板橋区の都立豊島病院で人工呼吸を受けた乳児2人が、医療器具の接続不具合から死亡した事故で、警視庁捜査一課は9日、器具の組み合わせによる危険性の指導や安全性の確認を怠ったなどとして、医療器具販売会社幹部と医師ら計9人を業務上過失致死容疑で書類送検した。

 警視庁は、医療器具販売会社と病院側の過失が重なって起きた競合事故と判断した。医療過誤で販売会社が刑事責任を問われるのは極めて異例。

 書類送検されたのは、医療器具販売会社の「アコマ医科工業」(東京)の幹部2人と「タイコヘルスケアジャパン」(同)の幹部2人、豊島病院の小児科医師ら3人と看護師2人の計9人。

 事故は12年11月と13年3月、ア社の小児麻酔機器のジャクソンリース回路とタ社の気管切開チューブを組み合わせて人工呼吸を受けた生後11カ月の男児と3カ月の男児が低酸素状態になり、多臓器不全などで死亡した。

 2つの器具の構造に問題はないが、接続して使用すると呼気を排出する管が詰まり呼吸できなくなるといい、以前にも同様の事故が起きていた。

 捜査一課は、過去の事故の後に医療器具販売会社が注意書きのラベルを添付しただけで、医療機関に器具の組み合わせによる危険性の周知徹底や製品の改良をしなかった上、担当医師らも器具の特徴を理解せず、安全に機能するかの確認を怠ったことなどが競合したとしている。

 豊島病院の2件以外に、9年から11年にかけ、器具の不具合による事故が愛媛大病院などで5件発生し1人が死亡。業者からの報告で厚生労働省も事故があったことを把握していた。

 捜査一課は厚労省の刑事責任も捜査したが、厚労省が今回の事故を予見するのは困難で責任は問えないと判断した。

  アコマ医科工業総務部の話 かねて捜査にも協力しており、こういった事態もある程度予想された。警視庁からの連絡もないため、現段階ではコメントを差し控えたい。

http://www.sankei.co.jp/news/030909/0909sha049.htm