悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年09月09日(火) 03時20分

住民訴訟原告への開示は適法 最高裁判断産経新聞

 談合を認定された企業を相手に、自治体側に代わって損害賠償を請求している住民訴訟の原告に、公正取引委員会の事件記録を開示することの是非が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は9日、「住民訴訟を起こし、独禁法違反行為の被害者に準ずる地位を取得した場合は、同法が開示請求を認めている『利害関係人』に当たる」との初判断を示した。

 訴訟は、ごみ焼却炉の入札談合事件で排除勧告を受けたメーカー5社が、公取委の開示処分の取り消しを求めたもので、第3小法廷は、メーカーの請求を認めた2審東京高裁判決を破棄し、5社の請求を退けた。開示を許可した公取委側の勝訴が確定した。

 談合をめぐる住民訴訟では最高裁が昨年7月、前提となる住民監査請求の期間について「一年間の制限は適用されない」として門戸を広げる判断を示しており、今回の判決は、住民が談合の責任を追及する上で、さらに強力な追い風となる。

 判決理由で上田豊三裁判長は「談合事件の公取委の審決が確定する前でも、被害者は利害関係人として記録の開示を請求できる」と指摘した。

 さらに「住民訴訟を起こした場合、公取委の審判の事件記録を利用することの必要性、有用性は、自治体などが自ら損害賠償を請求している場合と異ならない」として、開示は適法とした。

 13年の東京地裁判決は開示を認めたが、東京高裁は昨年「企業や事件関係者に大きな不利益を与える恐れがある」として、逆に企業側の請求を認める判決を言い渡し、最高裁の判断が注目されていた。

 開示処分の取り消しを求めていたのはJFEエンジニアリング(旧NKK、東京)、三菱重工業(東京)、日立造船(大阪市)、タクマ(同)、川崎重工業(神戸市)。

 事件記録自体は1審判決後に、東京高裁が判決確定まで開示の停止を認める決定をしたため、まだ住民側に開示されていないが、今後手続きが取られる。

http://www.sankei.co.jp/news/030909/0909sha061.htm