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2003年09月08日(月) 23時10分

<コマツ>子会社 技能講習で5500人に不正に修了証交付毎日新聞

 重機メーカー「コマツ」の子会社「コマツ教習所」(本社・川崎市)の和歌山、大阪両センタが、クレーンやパワーショベルを運転する国家資格取得のため義務付けられた技能講習で、99〜02年の間、延べ約5500人に不正に修了証を交付したことが和歌山労働局などの調べで分かった。約110人は講習を全く受講しておらず、他は講習時間が不足していた。同労働局は8日、和歌山センタ元所長(66)=同日付で懲戒解雇=と元副所長(51)=同=を労働安全衛生法違反容疑で和歌山地検に書類送検。大阪労働局は主導的な立場だった元所長を詐欺と虚偽公文書作成容疑で大阪府警に告発した。また両労働局は両センタの教習機関指定を取り消した。同法に基づく取り消し処分は全国初。

 書類送検の直接の容疑は、元所長は02年4〜8月、実際には受講していない延べ11人に修了証を交付するため、同法で定められた帳簿に、修了したという虚偽の記載をした疑い。元副所長は同年4月、同様に2人に交付するため、同様に虚偽の記載をした疑い。

 また大阪労働局によると、元所長の告発容疑は昨年7月、全く受けなかった1人が大阪府内で講習を受けたように装って大阪センタに修了証を作成させるなど、同センタから修了証62枚をだまし取ったなどの疑い。

 和歌山労働局によると、99〜02年の間に和歌山センタでは未受講の不正が延べ86人程度、受講時間不足が約5370人だった。同センタで01、02年に交付した修了証の8割以上が不正交付だったという。2人は大阪センタの講師を兼務していたことから同センタでも不正があった。両センタは未受講者からも正規の講習料を受け取っていた。

 元所長は62年、「コマツ」に入社、95年まで大阪支社や別の子会社に勤務。当時の得意先の業者から依頼され、断りきれずに不正交付したのが始まりという。業者間の口コミで近畿一円まで依頼が広がったらしい。

 厚生労働省は、不正交付を受けた全員の資格を無効とし、修了証の返還を求める。未受講者は、無資格で重機を運転した労働安全衛生法違反の疑いもあるとみて調べる。

 コマツ教習所は83年7月設立。全国に15カ所の技能教習所を展開している。荒谷内允(あらやちまこと)社長は8日、引責辞任を表明した。【藤田剛、近藤修司】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030909-00000090-mai-soci