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2003年09月08日(月) 00時00分

イスラム教のシーア派のシーアは、党派という意味だ。より正確… 東京新聞


 イスラム教のシーア派のシーアは、党派という意味だ。より正確には預言者ムハンマドの従兄弟(いとこ)で暗殺された第四代カリフ、アリを支持する党派▼党派の人々は、アリの遺骸(いがい)を暗殺地、クーファからナジャフへとひそかに運んだ。敵に墓をあばかれてはならない。ナジャフは以来、党派の聖地となる。つい先日、そこでイラク・シーア派の指導者ハキム師が爆弾テロで殺された。腕と指輪と腕時計から本人とやっと分かった▼そういう残虐は世界共通の歴史だが現代の人々をあらためて驚かせる。歴史や文化が全く違う世界とすら思わせる。当惑はイラクに西洋流の「民主主義」を持ち込めるかという疑問にすらなる▼米国紙のコラムにちょっと珍しい話がのっていた。レバノンの放送局がこの夏、アラビア語圏の歌手の人気投票を行ったというもので電話、ファクス、Eメールで投票を受け付けた。最終投票には七カ国十二人が残った。さらに絞られ、シリア、ヨルダンの歌手の決戦。最後は52%対48%でヨルダンの歌手が勝ち、支持者たちは明け方まで祝い騒いだという▼アラブは長老政治であって、恨みを残すような投票はしない。もし投票すれば100%対0%になるだろう。それに対し、コラムは歌手の人気投票が52%対48%で成立したのは民主主義の練習ではなかったかと期待していた。どちらがいいのかは、イラク国民が決めるのだろう▼多民族多文化であるイラクの民主的統治は壮大な歴史実験にちがいない。軍事ばかりがニュースになるが、それ以上に「民事」を気にしたい。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20030908/col_____hissen__000.shtml