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2003年09月08日(月) 11時28分

「裁判員多い方が発言活発」 九州大が模擬裁判朝日新聞

 市民がプロの裁判官とともに刑事裁判の審理を担う裁判員制度で、九州大が本番さながらの模擬裁判をしたところ、「裁判員は数が多いと発言が活発になる」との結果が出た。同大の大出良知教授は、司法制度改革推進本部の裁判員制度・刑事検討会の委員で、結果を同検討会に報告する。

 同制度導入は司法制度改革の柱の一つ。「裁判官と裁判員がコミュニケーションを通じて知識・経験を共有する」「裁判内容に健全な社会常識を反映させる」ことが狙いで、裁判官と裁判員の人数割合が論点だ。

 模擬裁判は2月、福岡市内であった。選挙人名簿から無作為に187人を選び、うち14人が依頼に応じて裁判員になった。裁判官は、裁判官・検察官の経験者を含む弁護士6人が演じた。

 裁判は殺人事件を題材に、裁判官と裁判員の割合を「3対10」(ワイド型)と「3対4」(コンパクト型)に分けて審理。いずれも結論は「有罪」だったが、発言回数を見ると、ワイド型は裁判官61回、裁判員135回と市民が積極的に発言したのに対し、コンパクト型だと、裁判官111回、裁判員58回と圧倒的に「官」優勢だった。

 発言内容を文章にすると、ワイド型は官349行、民474行。コンパクト型では官511行、民183行と回数以上の差が見られた。

 大出教授は「ワイド型では裁判員同士が意見を述べ合い、より主体的に審理に参加していた」と指摘。制度の運用にあたっては「いかに裁判官が市民の発言を促すかが重要だ」と述べた。

 裁判の経過は「裁判員が有罪、無罪を決める」という本にまとめられ、近く発売される。現代人文社刊、1900円。

(09/08 10:04)

http://www.asahi.com/national/update/0908/007.html