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2003年09月08日(月) 03時04分

薬害の実態、被害者に学べ 講義計画の国立大4倍増朝日新聞

 薬害の被害者を講師に招き、原因や被害の実態を医師の卵に学ばせる——。こんな薬害講義を計画する国立大医学部が来年度以降は27大学と、今年度の7大学から4倍近くに増えることが文部科学省の調査でわかった。薬害被害者の視点に立った医学教育実現への動きだが、文科省は「まだ十分とは言えない。今後も薬害に関する教育の充実を働きかける」という。

 調査の対象は、国立大医学部(医学科と看護学科)と薬学部。

 今年度の講義に被害者を招くと答えたのは、医学科42大学中7大学(昨年度4)▽看護学科38大学中5大学(同1)▽薬学部14大学中1大学(同0)とまだ少数だった。

 しかし、来年度か再来年度の実施を決めていると答えたのは、医学科20大学▽看護学科14大学▽薬学部5大学で、今年度とあわせると医学部では半数以上になる。

 講義は大学によって異なる。例えば富山医科薬科大は、医学、薬学、看護学すべての学生を対象とした「医療学入門」の一環として12月に薬害エイズの被害者を招く。

 岐阜大医学部は今月4日、医学科6年生の「総合医学」でサリドマイド被害者の話を聞き、山口大医学部は2月に薬害ヤコブ病被害者による「特別専門講義」を行った。

 薬害エイズ、サリドマイドなどの被害者でつくる全国薬害被害者団体連絡協議会(花井十伍・代表世話人)は、教科書の薬害の記載充実などを文科省に要望してきた。

 副代表世話人の勝村久司さんは「薬害を繰り返さないためには被害から学ぶことが出発点だが、これまでの医学教育には被害者の話を聞こうという発想がなかった。被害者はだれよりも真剣に薬害の再発防止策を考えている。その思いや意見を医学教育に生かしてほしい」と話している。(09/08 03:03)

http://www.asahi.com/national/update/0908/003.html