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2003年09月06日(土) 15時04分

<予備校講座>学習塾が有料講座コピーし「活用」代ゼミが提訴毎日新聞

 テレビのCS(通信衛星)放送で有料放映している受験講座を無断でダビングし、生徒に違法に受講させたとして、大手予備校「代々木ゼミナール」側が長崎市の塾経営者を相手に、約1000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴していたことが分かった。受験講座の無断ダビングをめぐる提訴は初めて。こうした背景には、少子化による中小学習塾の経営難があり、拡大する被害に大手は頭を痛めている。

 代ゼミが5年前から放映している講座は「スカイパーフェクTV!」の番組「代ゼミTVネット」。月1万2000円の契約で視聴でき、契約者は現在約1万2000世帯。約120の講座があり、スタジオ収録したオリジナル映像を流している。

 訴状などによると、塾経営者は98年秋ごろからTVネットの複数の講座を録画・ダビングし、テレビとビデオを10台ほど置いた部屋で高校生に月2万〜3万円で自由に見せ、約600万円の利益を上げたという。

 代ゼミの著作権を管理している会社が「私的使用以外の流用は違法」と、7月に提訴した。塾経営者側の弁護士は「一部を生徒に見せたのは事実だが、積極的な利用はしていない」と話しており、和解を提案する意向という。

 映像が流用されたケースはほかにもあり、代ゼミ側は昨年、岐阜市内で塾を経営していた大学生と、ビデオをインターネットで販売した山口県内の高校生をそれぞれ著作権法違反容疑で刑事告訴した。いずれも書類送検され、示談が成立している。代ゼミ側は別の塾経営者の告訴も検討している。

 国の01年度統計によると、学習塾は全国に約5万1000カ所あり、10年前より約10%増えたが、小中高校の子供の数は逆に約23%減少した。新規参入の大半は企業で、個人経営の塾は厳しい競争にさらされている。大手の各予備校の講座をめぐっては、専用の衛星放送で提携高校や塾に生中継した講座の録画テープが、外部に流出する問題も起きている。

 代ゼミの滝沢信・法務部長は「小中学生向けだった学習塾が大学受験生を取り込もうとし、講師がいないのでビデオで代用しているようだ。内部通報でもなければ発覚しないので、把握している10倍、100倍の被害があると思う」と話している。【清水健二】

◇法規制には限界

 著作権法に詳しい半田正夫・青山学院大学長の話 映像に録画ができない処理をして違法コピーを防ぐ方法もあるが、受験講座などは録画が前提なだけに、それも難しいだろう。法規制には限界があり、利用者がモラルを持つと同時に、権利侵害には刑事・民事での責任追及を厳しくするしか対処法はない。

 ◇映像の違法コピー

 著作権法は、私的使用目的以外の映像の録画を禁じている。営利目的にダビングしたテープを他人に渡したり、映像をネットに流したりすると、3年以下の懲役か100万円以下の罰金が科せられる。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030906-00001053-mai-soci