2003年09月04日(木) 07時03分

カラ貸し詐欺　県警が東京の犯行グループ４人逮捕（熊本日日新聞）

「カラ貸し業者」が被害者に送り付けたものと同種の祝電を装った請求状。中には債権回収の通知文が入っている

　実際には借りていないのに、借金の請求状を突然送り付ける手口の「カラ貸し詐欺」で、県警の捜査本部は三日、詐欺容疑で東京の男三人女一人の犯行グループを逮捕した。県警によると、カラ貸し業者の摘発は全国で初めてという。

　逮捕されたのは、東京都中央区、無職増村和美（２５）▽同渋谷区、アルバイト石田和樹（２５）▽同武蔵村山市、無職穂積まゆみ（３０）▽同渋谷区、同千葉裕巳（２５）の四容疑者。

　調べでは、四人は共謀。今年五月初旬ごろ、玉名市の主婦（５４）に「あなたの債権を回収しに行きます」などと、うその請求状を送り付け、指定した銀行預金口座に現金三十万円を振り込ませてだまし取った疑い。

　請求状は祝電を装っており、「支払い意志があれば連絡下さい」「必ず取りに行きます」などとの内容。末尾に携帯電話の番号が記載してあり、主婦が電話をかけると、「三十万円分の取りたてを依頼された」などと言ってだましたらしい。

　指定された口座を調べたところ、ほかにも県内に十数人の被害者がいることが判明。口座が増村容疑者名義だったことなどから、四人を割り出した。四人とも容疑を認めているという。

　同日は捜査員約七十人が、自宅や事務所など約十カ所を家宅捜索、パソコンやプリペイド式携帯電話などを押収した。

　県警によると、県内では今年一月から七月までに、祝電や弔電などを使った「カラ貸し詐欺」の被害相談が二千六百四件寄せられた。いずれも文面が似ていることなどから、県警はヤミ金融業者などによる組織的な犯行とみて捜査していた。被害はさらに広がる可能性があるとみて追及する。

http://kumanichi.com/news/local/main/200309/20030904000035.htm