2003年09月03日(水) 17時31分

燃料価格の高騰を受けてガソリン価格比較サイトが人気（WIRED）

　『労働者の日』[9月第1月曜]の休暇を目前に控え、米国人はこの夏最後の自動車旅行で長距離を走るための準備を整えている。だが、準備はそれだけではない。

　燃料価格が http://www.wired.com/news/images/0,2334,60230-8627,00.html 過去最高に近い水準で推移している(写真)ため、旅行予算を気にするドライバーがガソリン価格の比較サイトに押し寄せているのだ。サイト内でマウスを数回クリックすれば、ガソリン代の大幅な節約が可能だとわかる。

　『 http://www.fuelmeup.com/ フュエルミーアップ・コム』サイトのダリル・イー最高技術責任者(CTO)は、「現在は価格が非常に高く不安定なので、別のガソリンスタンドに足を伸ばせばかなりの金額を節約できる」と語る。このサイトでは、ユーザーからそれぞれの地元のガソリン価格に関する情報を集めて掲載している。

　特別な格安情報はほとんど入手できないが、フュエルミーアップ・コム、『 http://www.gasbuddy.com/ ガスバディー・コム』、『 http://autos.msn.com/everyday/everyday.aspx?src=Home&pos=My1 MSNオート』などで価格を比較すれば、遠くのガソリンスタンドまで行かなくとも、1ガロン(約3.8リットル)当たり10セント程度は浮かすことができる。

　数キロ余計に走ることをいとわないのであれば、節約できる金額はもっと大きくなる。たとえば、サンディエゴのイーCTOの地元では、最も等級の低いガソリンで、1ガロン当たりの最安値が2ドル5セント、最高値が2ドル44セントだという。

　州ごとの価格差はさらに大きい。MSNオートの情報によると、米国内でガソリン価格が最も安い地域はジョージア州テンプルで、1ガロン当たりの価格は1ドル14セントだという。反対に最も高いのは、カリフォルニア州サウスサンフランシスコの2ドル60セントだ。

　米エネルギー省の http://www.fueleconomy.gov/feg/gasprices/index.shtml ガソリン価格に関するウェブサイトによると、価格差の大半は説明がつくという。供給元との距離、各州の税率、公害防止のための規制といった要素が価格を決定しているのだ。ガソリン価格が最も高いカリフォルニア州の場合、「クリーンな燃料」の要件を他州より厳しく定めた独自の改質ガソリンプログラムを実施していることが、価格の高騰につながっている。

　ところが、カリフォルニア州の住民の中には、最も高いガソリン代を支払わなければならないことへの抗議手段を見出した者もいる。

　ロサンゼルスのショーン・ボナー氏は、8月に入ってから『 http://gasprices.textamerica.com/ レイプト・アット・ザ・ポンプ』というフォトログ(写真版ウェブログサイト)を立ち上げ、米国内のガソリン価格の極端な地域差を視覚的な方法で訴えている。サイトには28日(米国時間)の時点で、ガソリンスタンドに設置されたガソリン価格の看板の写真が世界各地から68枚寄せられている。

　ボナー氏は、ガソリン価格に対する不満を幾度となく耳にしたことから、ガソリン代を支払いすぎていないかを人々に知ってもらう目的でサイトを開設したと話す。

　「自分だけではないという慰めを得ることもできるし、他の人よりはるかに多く払っていることに腹を立ててもいい」とボナー氏。

　価格比較サイトの運営者たちは、ガソリン価格は通常、車に乗る人が多い夏に上昇すると口を揃える。秋が近づき、ガソリンの需要が減少すると、ガソリン価格も下がる傾向にある。

　しかし、イラクとナイジェリア、ベネズエラの政治的混乱がガソリン価格の上昇を招いているため、価格を予測する人々にとっては地政学的な要素も無視できない。秋になってガソリン価格がいくらか値下がりしたとしても、しばらくは例年の平均をかなり上回る価格が続きそうだ。

　また、価格比較は多くのドライバーを惹きつけるかもしれないが、節約できる金額を確かめるのは時間がかかりすぎるという声もある。

　マイケル・プーンさんは、シェル石油社のサンフランシスコにあるガソリンスタンドで、1ガロン当たり2ドル20セントもの高額のガソリン代を支払っている。だが、便利であることのほうが重要なので、自宅か職場から一番近いガソリンスタンドを利用していると話す。プーンさんの節約法は、ガソリンの消費量を減らすという単純なものだ。

　「私はガソリンを入れる量を少なくしようと努めている。満タンまで入れるのはガソリン価格が下がってからだ」とプーンさんは語る。

　MSNオートを運営する米マイクロソフト社は、ガソリン価格の比較サービスをもっと多くのドライバーに利用してもらうため、データをワイヤレス配信する方法を探っていると述べる。価格比較と位置データを組み合わせることで、ドライバーを現在地の近くの安いガソリンスタンドに案内できるようになる可能性もあるという。すでにいくつかの大都市圏では、別の企業によるワイヤレス配信サービスが提供されている。

　フュエルミーアップ・コムのイーCTOによると、価格比較サイトを利用すれば、ガソリン代に加えて時間まで節約できるという。イーCTOは、大勢のドライバーが地域で一番安いガソリンを求めて http://www.wired.com/news/images/0,2334,60230-8623,00.html 長蛇の列(写真)を作っている地元の『コスコ』を例に挙げた。

　その前に比較サイトで検索をしていれば、1ガロン当たり2セント高いだけで、待ち時間のないガソリンスタンドがすぐ近くに見つかるかもしれない。

　「1ガロンで2セントなら出す価値はある。ガソリンを浪費しながら30分も列に並ぶ必要はない」とイーCTOは語った。

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