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2003年09月03日(水) 00時00分

長期金利急上昇で住宅ローン「4倍」引き上げ“史上最低”からわずか2カ月半で…ZAKZAK


住宅ローン負担が増えたり、国の財政危機を回避するための増税をされたのでは、個人の不安はいつまでも減らない 長期金利の急上昇が庶民と国の台所を直撃しそうだ。6月に史上最低金利をつけた後、2カ月半で4倍弱まで急騰し、銀行は固定型の住宅ローン金利を3カ月連続で引き上げた。巨額の国債発行を繰り返す国の台所事情への懸念も高まっている。金利上昇の裏側で起こる株価上昇で、銀行や生命保険の財務状況は改善するが、笑っていられない現実が浮かぶ。

 6月11日に年0.430%の史上最低を記録した長期金利は、株高の期待が高まるとともに上昇してきた。金利上昇の理由は、投資家が国債を売って得た資金を株式購入に回してきたためで、昨2日には年1.670%まで上がった。

 金利上昇の間、銀行は住宅ローン金利を相次いで引き上げ。みずほ、東京三菱、UFJの3行は固定型20年物の金利を3カ月連続で引き上げ、年4.70%に設定。上げ幅は計約1%となった。

 1000万円の借り入れを20年で返済する想定で金利上昇前と後を比較すれば、返済額は134万円増える計算だ。

 マイホーム購入を考える世代からは「6月ごろは、当初10年間は年1.9%、その後も3.4%の固定金利という夢のような商品が出ていた。マイホーム購入も一時の夢だったのか…」とタメ息が聞こえそうだ。

 金利上昇に塩川正十郎財務相は2日、「冷静にあるべき金利の姿に戻るよう期待したい」と強い懸念を表明。個人だけでなく、国の台所にも苦しい事情があるからだ。

 平成15年度の国債発行計画は、新規と借り換えで約141兆4300億円。これだけの借金を予定している以上、金利が上昇すれば巨額の負担増となることは確実だ。

 「このまま金利が上昇すれば、国債が順調に発行できなくなる」(財務省幹部)との不安も持ち上がる。

 金利の上昇の反面、株価が上昇しており、銀行や生保の財務状況へのマイナス影響は少ない。

 大手行の債権含み損は1兆円まで膨らんだものの、2兆5000億円もの株式含み益がカバーし、有価証券全体ではプラス効果の方が大きい。大手生保の有価証券含み損益も順調に改善している。

 ただ、その結果、住宅ローン負担が増えたり、国の財政危機を回避するための増税をされたのでは、個人の不安はいつまでも減らない。

 やはり実体経済の回復を実現することこそが、国民を癒(いや)す薬といえそうだ。

ZAKZAK 2003/09/03

http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_09/1t2003090306.html