2003年09月03日(水) 14時16分

事務所侵入犯、ネット振り込みで１億円余…写真を公開（読売新聞）

　東京都中央区内で今年７月、盗難キャッシュカードと、インターネット上で取引ができる「ネットバンキング」を悪用し、食品輸入販売会社「幸和商事」（東京都中央区）の複数の銀行口座から、総額約１億２０００万円が引き出される多額窃盗事件があり、警視庁捜査３課と中央署は３日、この一部の現金７００万円を、現金自動預け払い機（ＡＴＭ）で引き出した男の映った防犯ビデオの写真を公開。氏名不詳のまま窃盗容疑で逮捕状を取り、身元割り出しを急いでいる。

　調べによると、事件は７月２５日から２８日の間に発生。容疑者の男は２５日に同社事務所にピッキングで侵入し、現金約８４万円やカードなどを盗んだうえ、この時盗んだカードで、２７日までに、中央区内の都市銀行支店など７店のＡＴＭで、同社社長名義など４口座から現金計約３０００万円を引き出し盗んだとみられる。

　さらに、男は２７日午前から昼過ぎにかけて、再び侵入し、事務所のパソコンでインターネットに接続し、この操作によって、１億円を限度とする貸し越し契約の同社当座預金から、社長名義など計１１口座に１億円を振り込んだうえ、７００万円を含め前後６０回計約９２００万円を引き出したという。

　捜査３課などで調べたところ、引き出し場所となったＡＴＭの防犯ビデオには、いずれも、この男が映っていた。事務所の机の中には、ネットバンキングの暗証番号が書かれた書類があったという。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030903-00000406-yom-soci