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2003年09月03日(水) 00時49分

<汚染血液>輸血で死亡 00年に千葉の病院で 毎日新聞

 千葉県内の大学病院で00年、50代男性が輸血後にショック死し、病院側は調査で輸血用血液が肺炎球菌に汚染されていたのが原因と結論づけていたことが分かった。輸血用血液の細菌汚染による死亡例が確認されたのは国内で初めて。血液を製造した日本赤十字社は、昨年初めに病院側から調査結果を伝えられていたのに、厚生労働省の指導に反して国への報告を怠っていた。

 この病院の医師が発表した論文などによると、男性は00年3月、皮下出血などが認められたため血小板製剤を輸血された。輸血終了後に胸や背中などの痛みを訴え、間もなくショック状態となって死亡した。日赤は同8月、薬事法に基づく旧厚生省への感染症報告で「輸血との因果関係は確認できない」としていた。

 しかし、その後の調査で、病院が輸血に使った血液の残りと、日赤が保管していた同じ献血者の血液から見つかった肺炎球菌の遺伝子が一致した。男性の肝臓からも同じ遺伝子が見つかり、病院側は肺炎球菌に汚染された輸血用血液が原因と判断し、昨年1月に日赤に文書で調査結果を通知した。

 厚労省は報告例の評価に影響を与えるような事実が分かった場合、製薬会社などに追加報告するよう指導しているが、日赤はこの調査結果を追加報告していなかった。今年6月に病院の医師らが論文を発表したことから、厚労省は8月に日赤に追加報告を指示した。

 日赤血液事業部は「現時点でも因果関係は確認できないと考えているが、近日中に追加報告したい」とコメントしている。【須山勉】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030903-00000129-mai-soci