悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年09月01日(月) 15時37分

地震検知で自動電源オフ 家電の防災システム、研究中朝日新聞

 地震の大きな揺れが来る前に電熱器やこたつのスイッチを切ったり、玄関のドアを開けたりして2次災害を減らすシステムの研究開発を独立行政法人・防災科学技術研究所(茨城県つくば市)やNPO法人・リアルタイム地震情報利用協議会(東京)が進めている。東海道新幹線などで導入されているリアルタイム防災の家庭版。ブロードバンドと情報家電の普及を想定し、数年以内の実用化を目指す。

 地震の初期微動(P波=縦波)を防災科研の観測網が検知してから、大きな揺れをもたらす主要動(S波=横波)が来るまでの数秒間を利用して被害軽減に役立てる狙いだ。

 防災科研の観測網は、全国約750カ所にある地震計などで構成。P波検知から2〜3秒で震源や地震の規模(マグニチュード)を算出している。

 算出された震源・マグニチュード情報は、中継用のサーバーを置くために新設される各地の地域センターに専用線で送られる。地域センターは、受け持ち地域の家庭の情報家電に対し、震源が近ければ「停止」、遠ければ「通常通り運転」といった指示をネットワーク経由で出す。大きな揺れの前なので、停電していないという前提だ。

 指示を受けて、火災の原因になる電磁調理器やこたつ、電気ストーブ、観賞魚用ヒーターなどはスイッチを自動的に切る。また、建物が押しつぶされても避難路を確保できるよう、玄関ドアを開ける。「あと何秒で大きな揺れが来ます」といった音声や画像の警報を、テレビから出すことも考えられるという。

 早ければ2年後ごろに実証試験をすることを計画している。

 情報家電は、家電製品にコンピューターを組み込み、ネットワークでつないで遠隔操作や協調動作ができるようにする機器。協調動作としては、テレビのリモコンで電源を入れるとテレビが見やすいようにカーテンがしまるなどの機能を開発している。規格統一の話し合いが業界で進められている。

 <リアルタイム防災> 東海道新幹線のユレダスなど列車を止めるJRの地震早期検知システムのほか、都市ガス供給を止める東京ガスのシステムなどがある。震源位置の秒単位での割り出しや高速ネットワークが必要とされる。地震発生後2分程度で震源情報を出している気象庁は、リアルタイム防災に役立つ「ナウキャスト地震情報」と呼ばれる即時情報提供システムの開発を進めている。

(09/01 15:37)

http://www.asahi.com/science/update/0901/001.html