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2003年09月01日(月) 00時00分

難病患者負担10月から最大6倍に東奥日報

 このままでは病院に行けなくなる−。国が特定疾患治療研究事業(難病医療費支援制度)の公費負担を変更することにより、十月一日から難病患者の通院費の自己負担が最大で約六倍に増える。県内の関係患者は約六千人。見直しの理由について国は「公費負担のない他の疾患や障害者医療との公平性を踏まえた」と説明するが、難病は治療法が確立されていないため患者の入通院が長期化し、経済的負担も大きくなる。それだけに、患者たちからは強い不安の声が上がっている。

 厚生労働省は原因不明で治療法が確立されていないパーキンソン病、再生不良性貧血など四十五の病気を難病に指定。県内には二〇〇二年度末現在で、五千八百四十五人の難病患者がいる。

 新制度移行により、自己負担の仕組みは患者の扶養者(生計中心者)の所得に応じた七段階方式となる。市町村民税が非課税だと自己負担はないが、例えば前年所得税課税年額が三万一円以上、八万円以下だと通院費で月額上限五千五百円、入院費で同一万千円になる。課税年額が十四万一円を超える最高ランクの場合、通院費は月額一万千五百五十円になり、現行の約六倍となる。入院費も同二万三千百円に増える。

 厚労省疾病対策課は「公費負担がない『がん』などの疾患や障害者医療との公平性を踏まえた。医療も進歩しており、所得と治療状況に応じて自己負担してほしい」と理解を求める。が、これに対し県難病団体等連絡協議会の宮本国敏会長は「治療法が確立していない難病は入通院が長期化するため、患者や家族の経済的負担が大きいことを国は分かっていない」と反論する。

 さらに、難病のうち、ベーチェット病、クローン病など十九疾患については医師が「軽快者」と判断すれば助成が打ち切られてしまうことも患者にとって不満となる大きな変更点。県内では全難病患者の58%に当たる三千四百十一人をこの十九疾患患者が占めており、医師による認定作業が九月上旬から始まる。

 慢性的な腹痛、発熱などの症状があるクローン病と診断され、十年以上も通院治療を続けている弘前市の三十代男性は十月から自己負担が三−六倍に膨らむ見込み。この男性は「体調が不安定でなかなか定職に就けないのに、軽快者とみなされたらどうしたらよいのか」と訴えた。

http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2003/0901/nto0901_7.html