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2003年08月31日(日) 21時22分

強盗2回、横浜のコンビニ閉店 「安全守れぬ」店主決断朝日新聞

 横浜市西区のコンビニ店が、強盗の多発を理由に31日朝、閉店した。16年余り営業を続けて黒字だった。だが、これまで2回強盗に襲われ、それぞれ売上金約10万円を奪われた。自衛策は講じたが、同じようなコンビニ強盗が連日おきる世の中に、店主の早川嘉之さん(62)が「従業員の安全を守る自信がない」と決断した。

 西区戸部本町のファミリーマート横浜戸部店。周辺にワンルームマンションがあり、若い人が多く住む。87年6月、早川さんが経営していたアメ製造工場を移築した際、跡地にマンションを建てて1階部分に開店した。

 事件にあったのは、95年8月19日と99年2月4日。いずれも未明に刃物を持った男1人が店内に入り、1人で勤務していた店員を脅してレジの現金を奪った。99年の事件では、アルバイトの男子大学生が左手を切られ、大けがをした。犯人は捕まっていないという。

 「強盗に入られた」

 早川さんは2回とも、店近くにある自宅への電話で事件を知った。2回目の事件で駆けつけたとき、レジ付近の床一帯に大学生の血がべっとりと付いていたのが、頭から離れない。

 犯人に投げつける塗料入りのカラーボールを置き、警備会社につながる非常用ボタンをつけた。深夜は店舗を閉めることも考えた。しかし、「この程度で本当に従業員の命が守れるだろうか」と不安が募った。

 最後の店員は、従業員4人とアルバイト14人。深夜勤には入らないが、高校生も2人いる。1回目の事件のときに店内にいた大神田伸さん(57)は「被害に遭ってから、深夜、知らない間に客が店内にいるのに気付いてドキッとすることがある」と話す。

 近くで理容店を営み、毎日のように利用したという立石芳子さん(60)は「不自由になるが、取り返しがつかなくなる前にやめるという判断はよく分かる」。早川さんは「深夜に弁当などを買う客も多く、コンビニの需要が高いのは言うまでもない。だからこそ、業界全体がもっと対策について知恵を絞る必要がある」と話す。

 31日、多くの常連客が店を訪れて惜しんだ。

 神奈川県警によると、県内で今年起きたコンビニ強盗は8月26日現在で前年同期比18件増の55件。全国に約6000店舗を展開するファミリーマートの広報部によると、チェーン店で治安悪化を理由に閉店するのは初めてだという。(08/31 21:17)

http://www.asahi.com/national/update/0831/011.html