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2003年08月30日(土) 08時52分

患者240人分の情報、HPに掲載 高知県立安芸病院朝日新聞

 高知県安芸市の県立安芸病院(町田健一院長)に入院した患者約240人の名前と病名が書かれた医療情報が、昨年夏、インターネット上に流出していたことが29日、分かった。数十人のがん患者については本人への告知の有無も記載されていた。別の病院に転勤した薬剤担当の職員(59)が、仕事上の資料として作った患者データを自分のホームページ(HP)に掲載したことを認めている。県は昨秋、この職員を厳重注意処分にしたが、患者への謝罪や説明はしていないという。

 掲載されたのは、01年4月から02年3月までの間に同病院に入院した患者の個人情報。昨年8月ごろ、ある男性患者の知り合いがネットで検索していて見つけた。約240人分の患者氏名が書かれ、年齢、病棟、担当医、病名、服薬指導の回数などが一覧表として掲載されていた。数十人のがん患者については告知の有無も記され、多くは「非告知」だったという。

 驚いたこの患者は「患者への人権侵害だ」と昨年8月末、病院側に抗議した。

 病院側が調べたところ、昨年4月に別の県立病院へ異動した職員が、安芸病院に勤務していた当時の仕事上のメモを自宅のパソコンで整理し、同年7月8日ごろ、HPに掲載したことが分かった。病院は直ちにプロバイダーにデータの全面削除を要請、9月7日に削除されたという。

 この職員は朝日新聞記者の取材に対し、事実関係を認め、「親類に私の仕事の内容などを知ってもらうため、ホームページに出した。その際、患者名は消したつもりだったのだが。誠に申し訳ない」と話した。

 病院側に抗議した男性患者は「がんを告知されていない人が、流出したデータを見て病名を知ったとしたら、恐ろしい。職員のミスでは済まされない問題だ」と憤った。職員が現在勤務する県立芸陽病院の山下元司病院長は「個人的な行為だが、重大なミスで、患者のみなさまに申し訳ない思いでいっぱいだ」と話した。

 両病院では、抗議が1件だけで、すべての患者に説明すればかえって混乱する恐れもあるとして個々の患者への説明は予定していないという。県病院局は、地方公務員法の守秘義務に反するとして、この職員を10月11日付で厳重注意処分にした。(08/30 08:51)

http://www.asahi.com/national/update/0830/006.html