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2003年08月29日(金) 03時09分

7人死亡のセラチア菌院内感染、病院長ら書類送検へ読売新聞

 東京都世田谷区の「伊藤脳神経外科病院」で昨年1月、患者7人が死亡したセラチア菌による院内感染事故で、警視庁捜査一課と北沢署は29日にも、院内感染の防止策を怠って集団感染を招いたとして、伊藤誠康院長(46)と当時の看護師長(71)の2人を業務上過失致死傷容疑で東京地検に書類送検する。セラチア菌による院内感染事故で、病院関係者が刑事責任を問われるのは初めて。

 調べによると、伊藤院長らは、一昨年12月26日から昨年1月15日にかけて、点滴の際に血液の凝固を防ぐ「ヘパリン生理食塩水」を毎日作り替えず、常温で保管してセラチア菌に汚染させた上、患者12人に感染させ、うち6人を敗血症によって死亡させた疑い。

 同病院は、厚生省(当時)が2000年10月に通知したセラチア菌の院内感染防止マニュアルを作成していなかったほか、連休と重なったことなどを理由に、最初の死者が出てから5日間も保健所に届け出ず、被害拡大を防げなかった。

 この事故では、入院患者24人が高熱を出し、うち7人が死亡。警視庁は、世田谷区が昨年5月にまとめた調査結果を踏まえて独自の鑑定を行い、死者6人を含む計12人の感染者から検出された菌のDNAが一致したことから、同一感染源によるセラチア菌の集団院内感染と断定した。

 同病院では、ヘパリン生理食塩水の調整担当の責任者を置いておらず、作り置きしないことも規則として定めていなかった。このため、直接の調整者や感染源の特定には至らなかったが、ずさんな衛生状態を放置していたとして、警視庁は衛生管理の責任者だった病院長と当時の看護師長を立件対象に絞り込んだ。2人は容疑を認めており、同課は書類送検にとどめることにした。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030829-00000301-yom-soci