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2003年08月28日(木) 18時42分

水稲作況「著しい不良」 93年並ぶ恐れ−−農水省道統計・情報事務所 /北海道毎日新聞

 冷夏の影響が深刻化し、全道各地で水稲の作況指数(15日現在)が90以下の「著しい不良」となっていることが27日、わかった。作況の区分は「良」から6段階あり「著しい不良」は最低。調査に当たった農水省道統計・情報事務所は、作況指数が「40」となった93年の大冷害に並ぶ恐れも指摘している。同事務所によると、稲から穂が出る「出穂(しゅっすい)」が太平洋沿岸を中心に全道的に遅く、比較的早かった上川、空知でも稲穂の中身が空になる「不稔(ふねん)」の被害が多発。稲穂や葉が茶色に変色する褐変(かっぺん)病の被害も発生しており、注意を呼びかけている。主産地の現状を道内3カ所から報告する。【大谷津統一、山田泰雄、渡部宏人、安味伸一】
 ◇不稔多発の恐れ−−空知
 長沼町では今月15日、やっと穂が出そろった。しかし、花粉ができる7月が低温だったため花は咲いても受粉できない穂が多いとみられ、不稔が多発する恐れも大きい。
 JAながぬまは「ここ何日かは気温が高く、不稔がある程度出ても、入った実の成熟率が高まれば作況が上向く可能性はある」と分析している。
 作況指数26という空前の大冷害となった93年との比較でも「当時と違い、栽培品種も耐冷性に優れた物が増えている。93年より悪くなるとはまだ言えず、おそらくこの1週間ほどではっきりするだろう」と、冷静に事態の推移を見極める意向だ。
 ◇開花障害を懸念−−上川
 冷夏がもたらした生育被害は、本道で最も影響が少ないとされた上川地方にも及んだ。14ヘクタールの水田を持つ旭川市永山町の安友進さん(51)。「生育は他地域と比べて一番よいというが、それでも不稔粒は例年より多い」と表情を曇らせ、「沢地帯に行くと、もっと悪い」と仲間を気遣った。
 気温が低く日照が不足すると開花障害などが起き出穂が遅れ、適期刈り入れに支障をきたす。「地区の昨年の作況指数は88だったが、今年はそれを下回るのではないか」と心配する。
 不作によって市場価格が高騰する可能性について、安友さんは「本道は年間生産量の3分の1近い在庫を既に抱えている。(価格上昇の)恩恵にはあずかれないでしょう」と苦笑いした。
 米政策改革大綱が来年度から施行される。「売れ残ったら作付けが減らされる。関税が下がり中国の輸入米と競合する時代が来る。何とか手を打ちたい」と安友さん。長期にわたる危機に、気を引き締めている。
 ◇生育大幅に遅れ−−渡島・檜山
 農水省函館統計・情報センターの水稲作柄概況(8月15日現在)によると、渡島管内の出穂ずみの面積の割合は67%(平年は97%)と3分の2に過ぎない。檜山管内も83%(同99%)で、いずれも「著しい不良」と判定された。生育は大幅に遅れている。
 渡島管内大野町開発で水田14ヘクタールを経営する斎藤秀樹さん(53)は「ほとんどの穂がかがんでいる状態だ。積算気温がかなり低く、収穫可能な登熟が9月末か10月上旬にずれ込むのではないか。収穫が遅くなれば実が入らないクズ米になったり、霜が降りる心配もある」と不安を募らせている。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030828-00000001-mai-hok