2003年08月28日(木) 14時07分

途上国にエイズ治療コピー薬輸入、ＷＴＯが認可の新案（読売新聞）

　【ジュネーブ＝長谷川由紀】発展途上国にエイズなどの感染症治療薬を提供するため、例外的に安価な「コピー薬」の輸出入を認める知的財産権保護緩和の新たな案が２７日、世界貿易機関（ＷＴＯ）の全加盟国に提示された。

　ＷＴＯ一般理事会議長名で出された案は、コピー薬輸入量の通報制度などを盛り込んだ昨年１１月の「合意案」を補完するもの。通商筋によると、「合意案」に反対した米国も受け入れる方針で、早期合意の可能性が出てきた。

　新たな案は、特に、コピー薬が途上国経由で先進国に流出する可能性に言及し、防止策の必要性を強調。加盟国がこの問題についてＷＴＯの知的財産権保護協定（ＴＲＩＰＳ協定）理事会に、調査・判断を求めることができると規定するなど、米国など先進国に配慮した内容となっている。

　この問題を巡っては、例外規定拡大などを巡って米国と途上国が対立、米国の反対で交渉は決裂していた。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030828-00000105-yom-bus_all