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2003年08月27日(水) 15時02分

ヤミ金融の一掃めざし「対策会議」各地で発足読売新聞

 ヤミ金融による被害を防ぐため、自治体や警察、弁護士会、被害者救済団体などが連携して作る「ヤミ金融対策会議」が各地で発足している。来月1日から「ヤミ金融対策法」が一部施行され、罰則が強化されるが、ヤミ金融業者は対策が手薄な地域を狙って“営業”するなど巧妙で、対策会議がどこまで有効な手だてを打ち出せるかが注目される。

 対策会議は、長野県が昨年12月末、総合的なヤミ金融対策を取るために設立したのが最初だった。

 同県の対策会議では、弁護士や救済団体などがそれぞれ把握したヤミ金融業者の名称や所在地、電話番号、銀行口座などの情報をデータ化して共有する仕組みを作っている。これを元に今月、都市銀行など11の金融機関に対し、ヤミ金融が利用している疑いがある39口座の実態を調査し、強制解約などの措置を取るよう求めた。

 また、6月には県経営者協会に対し、職場に取り立て電話がかかってきた際の対処方法をアドバイスし、債務者が職場を追われることがないよう要請した。

 2月に発足した滋賀県の対策会議も6月、貸してもいない金の“返済”を求める「カラ貸し」などに利用されていると見られる20口座を閉鎖するよう銀行に求め、今月中に2回目の要請を行う予定だ。

 埼玉県の対策会議は「弁護士や司法書士による相談会や講演会、消費者教育講座などを地道に重ねる」(県金融課)としている。ヤミ金融対策法の新たな罰則規定を踏まえ、警察は摘発を強化する構えだが、拡大する被害に検挙が追いついていない実情もあり、県金融課は「とにかくヤミ金融に手を出さないように訴えていく」と話す。

 また、北海道の対策会議は、道庁が来月、利用者からの苦情が多い貸金業者を集中検査することを決めたが、それ以外の対策については、「国が今後、対策法の運用基準などを定めてから考える」(道金融課)としている。富山県の対策会議も「今のところ、県や弁護士会に寄せられた相談や苦情の内容を交換し合っている段階」(県経営支援課)だという。

 今月発足した島根県の対策会議では、被害者からの相談への対応を巡り、「元本、利息とも返済の必要なし」とする弁護士会や司法書士会と、「元本くらいは返済すべきだ」という警察で意見が食い違った。このため、構成団体の間で見解が割れないよう、まずは統一的な相談マニュアルを作ることになった。

 ヤミ金融被害者の救済活動は、主に各地のボランティア団体が担ってきたが、どの団体にも相談が殺到してパンク状態だ。一方、ヤミ金融業者も警察の摘発状況などを情報交換し、取り締まりが厳しい地域を避けて貸し付けを行っているという。このため、全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の本多良男事務局長は、「対策会議を全国的に普及させ、あらゆる手段でヤミ金融の動きを封じて欲しい」と話している。

 ◆ヤミ金融対策法=貸金業規制法と出資法の改正法で、先月成立した。違法金利や無登録営業の法定刑が大幅に引き上げられ、罰則については来月1日から先行的に施行される。貸金業登録の審査強化などは来年1月に施行の見込み。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030827-00000406-yom-soci