2003年08月26日(火) 19時11分

高額医療費償還払い制度　払い戻し、対象者の４６％−−県保険医協会調べ　／福島（毎日新聞）

　◇全国的に低いレベルに
　高齢者の医療費の上限超過分を本人の申請によって払い戻す「高額医療費償還払い制度」で、県内では対象者のうち約４４％しか払い戻しを受けておらず、全国的に低いレベルにとどまっていることが県保険医協会（伊藤弦理事長）の調べでわかった。同協議会は「医療費を多く払っていると思う高齢者は、市町村窓口に相談を」と呼びかけている。
　同制度は７５歳以上の高齢者が対象で、上限額を超える医療費を支払った場合に、市町村に申請すれば超過分の払い戻しを受けることができる。ひと月の医療費負担の上限額が決められた「月額上限制度」に代わり、０２年１０月に導入された。
　調査は、県内の全市町村を対象に行われ、７６市町村から回答があった。昨年１０月から今年３月で対象者８万１６１２人のうち申請したのは３万５８７３人（申請率４４％）だった。全国保険医団体連合会が全国２１県の１１８２自治体を対象に行った調査では、申請率の平均は６９・６％で、宮城や愛知など９０％を超える県もあった。同協議会によると、手続きの簡素化を市町村に指示するなど、制度の浸透のため統一した対策を取っている県で申請率が高いという。
　県内では、未申請者への通知や手続きの簡素化の対応は、市町村によってばらつきがあり、７町村で申請率が１００％だった一方で、１０％以下が８町村（うち２町村は０％）ある。
　同協議会は、市町村に対する手続き簡素化の指示や簡素化のための援助の実施などを、県に要望している。【中山裕美子】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030826-00000003-mai-l07