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2003年08月26日(火) 00時00分

住基ネット2次稼働、初日交付数伸び悩み朝日新聞・

  住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の2次稼働で、県内市町村でも発行が始まった住基カード。引っ越しの手続きが簡素化されるなどの利点がうたわれているが、初日の交付数は伸び悩んだ。自治体独自のサービスを加えたのは福光町だけで、発行手数料も同町以外は有料だ。住民からは利点を疑問視する声も上がった。

  福光町では、登録すれば、町立図書館の貸し出しカードとして使えるほか、プールや体育館などの公共施設をインターネット経由で予約する際にも利用できる。子どもの作文や絵などを登録し、「成長記録」として閲覧することもできる。

  カードの普及を図るため、他市町村では500円する手数料も無料にした。町は人口の15%にあたる3千人分を用意。しかし、この日は27人が交付を受けただけだった。

  申請した木原孝作さん(70)は「国や県がつくった制度には参加しようと思った。町独自の機能もあるし、持っていれば便利になるかも」。

  会社員の女性(29)は「町の施設予約ができると聞いた。保育園の父母会で町の会議室を使うことがある」と話した。ただ、この女性は「(ほかの市町村のように)500円かかるなら考える。それだけ出してもいいと思うくらい便利になればいいが」とも言う。

  住民課の高田輝男課長は「一人でも多くの人に使ってほしいと無料にしたが、その効果もあったと思う」と話した。

  他市町村では交付数が伸び悩むところが目立った。富山市では16件交付した。担当者は「事前に問い合わせを何件か受けていたので、もう少し来るかと思っていたが、少なかった」。高岡市では交付が13件あった。砺波市と黒部市では申請もなかった。

  申請者がいなかった山田村。村役場を訪れた女性は「引っ越しをするわけでもないので、必要ないです」。ある担当職員は「転入や転出が少ないところでは、メリットが少ないのでは。今後、用途が広がれば浸透していくと思う」と話した。

  住基ネットは、情報流出の恐れも指摘されている。福光町の女性は「情報漏れの不安はあるが、あきらめている」。ある男性は「情報漏れは防ぎようがない。必要悪だと考えている」と話した。


■記者も住基カードの交付を受けてみました

  転出入届が1度で済むとはいえ、住基カードを利用することはないだろうと思いながらも、記者も交付を申請してみた。

  富山市役所1階の市民課の窓口。印鑑が必要だと分かり、認め印を取りに自宅に戻った。これだけでやめたくなる。

  手続きは簡単で、申請書に住所、氏名、生年月日、性別などを記入し、本人確認ができる運転免許証やパスポートなどを提示するだけ。ただし、免許証などがない人は手続きに日数がかかる。

  申請から待つこと約15分。呼ばれて窓口に出向くと、カードを差し出された。指示に従い、窓口にある専用機器にカードを入れると、「暗証番号を入力してください」と担当者。数字を押す。後ろからのぞかれそうだ。

  担当者によると、暗証番号を知られてもカードがないと利用できない。カードを落としたら利用を停止すればいいし、暗証番号の変更も可能だという。しかし、暗証番号を知られて情報が流出する場合はないのか、不安はぬぐえない。

  結局、交付までには約30分。手数料は500円だった。(佐藤亜季)
(8/26)

http://mytown.asahi.com/toyama/news02.asp?kiji=3754