悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年08月25日(月) 11時53分

農産品関税に上限、輸入枠拡大も WTO閣僚宣言案朝日新聞

 世界貿易機関(WTO)は24日、9月にメキシコで開かれる全体閣僚会議での採択を目指す「閣僚宣言案」を加盟国に配布した。貿易自由化交渉(新ラウンド)の核となる農業分野では、米国と欧州連合(EU)が合意した「妥協案」を軸とし、日本が反対する関税率の上限設定や、高関税品目の輸入枠拡大が盛り込まれた。日本にとっては厳しい内容だが、コメの保護には一定の配慮が払われている。

 宣言案は、農業と非農産品(鉱工業製品と林水産品)分野で関税の引き下げ率を含む大枠合意を盛り込むことが目標だった。しかし、両分野とも大枠をまとめることが出来ず、具体的な数字が入らない大枠の「骨組み」を示すにとどまった。

 農業分野で、日本は関税率の上限設定、輸入枠(関税割当数量)拡大に強く反対、修正を働きかけたが、同調する国が少なく、米欧案の内容がほぼ宣言案に残った。ただ、高関税品目の自由化にあたり、例えばコメなど、ある品目をどうしても守りたい場合、他の品目の自由化を追加実施することで代替できる、との「配慮」が加えられた。

 宣言案を関税率が約490%の日本のコメに当てはめると(1)最高でも200%程度に設定されるとみられる関税率の上限まで引き下げる(2)それが出来ない場合は、コメまたは代替品目の低関税輸入枠を拡大する、のどちらかを選択することが迫られる。

 また、加盟国の3分の2を占める途上国の強い要請を受け、宣言案は関税率の引き下げ幅など各項目で、途上国の特別扱いを明記している。

 一方、非農産品は、米・EU・カナダが、途上国寄りの交渉議長案に対抗する形で、独自の「骨組み」案を提出している。これに対し、宣言案は、議長案をもとに将来の交渉を進めるよう求めており、閣僚会議で大きな論点になりそうだ。(08/25 11:52)

http://www.asahi.com/business/update/0825/051.html