悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
今回も米マイクロソフト社製のウィンドウズと呼ばれる基本ソフトが攻撃の対象となった。
同社製の基本ソフトは世界中のパソコンで使われているために、あっという間に被害が拡大してしまう。
今回は「ブラスター」と呼ばれるウイルスが、まず広がり、それを加工した「亜種」と呼ばれるウイルスが現れて被害を一層拡大した。
犯人は不明だが、亜種の場合、「ブラスター」の成功を見て、夏休み中で暇な学生が作って広めた愉快犯との見方もある。
ウイルス犯罪は高度な技術がなくても時によっては、世界的な被害を及ぼすことができる。
繰り返されるウイルス被害の深刻さを考えれば、同社はこれまで通りの対策を繰り返すだけでは、許されないのではないか。
複雑な仕組みの基本ソフトは、発売後でも必ず、安全上の抜け穴(欠陥)が残っている。
この欠陥が見つかるたびに、同社は修正ソフトを無償で配布するいたちごっこを繰り返してきた。
同社で目立つのは数年ごとに新型ソフトを発売し、利用者に乗り換えさせる商品戦略だ。発売後、ようやく修正が徹底し、欠陥が少なくなったころに、新型が発売される。
技術進歩を反映した新機能を盛り込むために、新型ソフトの開発は必要に違いない。
だが、安全重視の視点から、新製品発売のペースを遅らせてでも、より欠陥の少ないソフトに磨き上げてから発売するという考え方があってもよい。コンピューターに頼る現代社会では便利さの半面、安全面での落とし穴も増えてくる。
マイクロソフト社が製品の欠陥をなくす努力をするのは当然だが、利用者も、同社が提供する無償の修正ソフトをこまめに導入する最低の配慮は必要だ。
住民の安全やプライバシーに責任のある国や自治体には、日常から特に細心の対策を望みたい。
どのような製品を採用してもある程度の欠陥を含んでいることは避けられない。だが、被害の無秩序な拡大を防ぐためには、あえて異なった種類のソフトの採用も必要だろう。
すでに普及し始めているが、世界的なボランティア活動で改良が進んでいる基本ソフト、「リナックス」の採用も有効に違いない。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20030823/col_____sha_____002.shtml