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2003年08月22日(金) 21時18分

<雪印食中毒事件>3府県の4家族8人と和解 大阪地裁  毎日新聞

 約1万5000人の発症者を出した雪印乳業(本社・東京都)の低脂肪乳による食中毒事件で被害を受けたとして、大阪、京都、兵庫3府県の4家族8人が製造物責任(PL)法の責任を問い、同社に計371万円の損害賠償を求めた訴訟の和解が22日、大阪地裁(小久保孝雄裁判長)で成立した。同社が被害者に謝罪し、和解金計110万円を支払う内容。同事件をめぐる訴訟の和解は初めて。

 訴えによると、原告らは00年6月末〜7月初め、黄色ブドウ球菌に汚染された脱脂粉乳を原料とする同社製の低脂肪乳を飲み、激しい下痢に見舞われるなどの被害を受けた。8人は01年7月と11月、短期間に激しい苦痛を伴う食中毒被害の特性を考慮し、被害額を交通事故の基準の3倍と算定して提訴した。

 同社は一部の原告について、飲用と発症の因果関係を否定したが、今年7月、地裁が和解を勧告していた。和解金は4家族に10万〜70万円ずつ分配される。

 また、重い後遺症に悩まされているとして、4家族8人と一緒に提訴している大阪市内の女性は、主張との隔たりが大きいため訴訟を継続する。【山本直】

 雪印乳業パブリックコミュニケーション室の話 原告全員が疑いなく被害者とは認めていないが、早期に解決すべきであり、裁判所から勧告を受けたことなどを考慮して和解に応じた。多くのお客様にご迷惑をお掛けしたことをおわび申し上げます。

 雪印集団食中毒事件被害者弁護団は和解成立を受けて記者会見し、田中厚団長は「金額は十分と言えないが、因果関係を立証できた人には交通事故基準より高額の、立証手段のない人にも一定の賠償が認められたに等しい。企業の重大な過失で被害を受けたことを考慮した和解だ」と話した。

 事件の刑事責任をめぐっては、汚染された原料を出荷した同社大樹工場(北海道)の元工場長と元製造課主任が業務上過失致傷罪などで起訴され、大阪地裁は5月、執行猶予付きの有罪判決を言い渡し、確定している。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030823-00000045-mai-soci