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2003年08月22日(金) 17時41分

食中毒事件で雪印と被害者8人が和解読売新聞

 1万3000人以上が発症した雪印乳業(本社・東京)の乳製品による集団食中毒事件で、おう吐や下痢などの症状に襲われた大阪、京都、兵庫の3府県の5家族9人が、製造物責任法(PL法)に基づき計約6800万円の損害賠償を同社に求めた訴訟は、同社が食中毒被害について謝罪、再発防止を誓ったうえで、原告のうち4家族8人に和解金110万円を支払う内容で22日、大阪地裁で和解が成立した。

 戦後最大級の食中毒被害の責任追及は、同社元工場長ら2人の有罪が確定した刑事裁判に続き、民事面でも大きな節目を迎えた。

 和解条項には「低脂肪乳被害について被害者らに謝罪し、再発防止を誓う」との文言が盛り込まれ、賠償金は弁護団が被害の度合いに応じて4家族に70—10万円ずつ分配する。

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、約6400万円を求めた大阪市の70歳代の女性は、まだ立証が終わっておらず、訴訟を継続する。

 訴状などによると、原告らは2000年6月下旬、同社製の低脂肪乳を飲んだ後、激しいおう吐や下痢を発症。「ずさんな衛生管理で原料を汚染させたうえ、公表遅れで被害を拡大させた」と主張し、一昨年7、11月に提訴した。原告らは「懲罰的賠償」として慰謝料を通常の人身被害の算定基準の約3倍に設定、和解した原告らは計約370万円を請求していた。

 雪印乳業は、一家族3人について低脂肪乳摂取と発症との因果関係を認めたが、他の原告に対しては賠償責任を争っていた。

 しかし7月18日の準備的口頭弁論で同地裁が和解案を提示して和解を勧告。原告側は、因果関係の立証が困難な原告も支払い対象となったことや謝罪が盛り込まれたことなどを評価し、和解案通りで決着した。

 食中毒事件の刑事裁判では、汚染源の脱脂粉乳を製造した同社大樹工場(北海道大樹町)の元工場長(53)と元粉乳係主任(52)が業務上過失致傷などの罪に問われ、5月、同地裁で執行猶予付きの有罪判決を受け確定。法人としての雪印乳業も一昨年7月、食品衛生法違反罪で罰金刑の略式命令を受けた。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030822-00000106-yom-soci