悪のニュース記事

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2003年08月21日(木) 00時00分

怖いね、運転中の携帯車を止めて携帯電話をかけるドライバー。運転中に携帯電話を使うことは法律で禁じられている=西那須野町で朝日新聞・

 宇都宮市の女性(24)から支局に1通の手紙をいただいた。「携帯電話を片手に運転する人をよく見かけ、冷や冷やする」という7月18日付本紙栃木版コラム「草まくら」に対してのものだった。手紙には「高校生のころ、携帯電話で話をしながら自転車を運転中、老婦人にぶつかり、死亡させてしまった先輩の話を聞いたことがある。そのようなことをする人が少なくなることを切に願う」とあった。急速に普及する携帯電話とドライバーの現状を追ってみた。(角田要)

 私も仕事柄、運転中に電話がよく携帯にかかってくる。急いで道路脇に停車することがしばしばだ。
 99年に改正された道路交通法第71条には「運転中に携帯電話を通話のために使用しないこと」とある。違反すると普通車の場合は、反則金は9千円、反則点数は2点だ。だが、2人に1人が携帯電話を持つ時代。運転中に携帯で話す人、メールを打つ人。自転車で走行中に携帯で話している高校生らを街のあちこちで見かける。
 6月18日には福井市で、京福バスの運転手が運転中、携帯で友人にメールを打っていたことがわかり、解雇される「事件」もあった。

 運転を仕事としているドライバーはどうしているのだろうか。

 宇都宮合同タクシーは「運転中の携帯使用は絶対に認めない」という。97年6月に「運転中の(携帯の)使用は禁止する」と規定してから6年間、一度も携帯が原因の事故は起きていないという。乗客に対して不安感や不信感を与えないよう、ドライブモードや留守番電話にして、業務後に折り返しかけるよう指導している。
 関東自動車は96年、携帯をバスへ持ち込むことを禁じた。乗務員からの要求もあり00年から、持ち込みは許可している。「原則、電源は切る。休憩中、待機時間のみ使用を許す」としている。

 一般のドライバーはどう考えているのか。

 宇都宮市の男性会社員(34)は「仕事の電話などで使うことがよくある。携帯に夢中になるあまり前方を注意せず、ヒヤッとした経験も確かにある」と話す。一方、同市内の男子大学生(20)は「別に良いんじゃないですか。事故を起こさなきゃ良いわけでしょ」と気にしない。
 県警交通企画課によると、携帯電話が原因とされる交通事故は今年1月から7月末までで50件ある。電話をかけたり着信したりする以外に、携帯を落とす、探す、携帯の時計を見るなど、一瞬目を離したすきに追突する事故が7割を占める。

 また、マイクとイヤホンを使って電話を持たずに通話できる「ハンズフリー」にも注意が必要だという。
 自動車安全運転センター中央研修所(茨城県ひたちなか市)の調査では通常の運転と比べて、危険に対する反応時間は倍近く長くなり、視線の移動回数は15%減るなど、携帯を使った片手運転の場合と危なさは変わらなかった。「運転に集中できないため、片手に携帯を持つ運転と大差ない。情報収集能力が著しく下がる」という。
 県内の携帯電話の加入件数は6月現在、約109万件。県民の2人に1人以上が携帯を持っている計算だ。自動車免許の保有率も約66%と、本県は群馬県に次いで全国2位の自動車王国だ。
 県警の担当者は「車に限らず、自転車で通学する高校生の携帯も注意が必要。自転車と歩行者や車との衝突も多い。重大な事故を起こす前に、運転中の携帯使用はやめて欲しい」と呼びかけている。
(8/21)

http://mytown.asahi.com/tochigi/news01.asp?kiji=3593