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2003年08月21日(木) 03時25分

<JRバス>義務化したアルコール検査を実施せず 毎日新聞

 JRバス関東の東名高速路線バスの酒酔い運転事件で、同社が2月から運転手全員に義務付けたアルコール検知器によるチェックを、同社東京支店では実施していなかったことが、国土交通省関東運輸局の特別監査で分かった。また、道路交通法違反容疑で現行犯逮捕された福田隆幸容疑者(32)が勤務する宇都宮支店の乗務員2人が、過去に酒気帯び運転で免許停止処分を受けていた事実を把握していないなど、同社のずさんな管理体制が明らかになった。

 国土交通省関東運輸局は19日、JRバス関東東京支店に特別監査を実施した。同社の東海林保社長は18日の記者会見で「今年2月から全員に自分でチェックするよう義務付けた」と説明していたが、支店ではアルコール検知器を置いていたものの、監査に対し、支店職員は「前夜に酒を飲んだ場合などに任意で行っていた」と義務化してないことを認めたという。

 これまでの静岡県警の調べに福田容疑者は、内規に反して前夜に宿舎で焼酎の水割りを飲んだと供述している。18日午前6時すぎに点呼した補助運行管理者は、同局の監査に「規定通り対面で行ったが異常は感じなかった」と説明しただけで、福田容疑者は検知器を使わなかったとみられる。

 福田容疑者は点呼後、出発地のJR東京駅に向かうバスの中で缶酎ハイ2本を飲むなど、ひんぱんに飲酒していた。同社も会見で「宇都宮支店の同僚などからは酒好き、飲みすぎる時もあるとの話があり、酒についての要注意者ではあった」と認めているが、東京支店には情報はなかったという。

 このため、関東運輸局は21日、宇都宮支店を特別監査し、指導状況について詳しく調べる。【前田博之】

◇運転手2人が酒気帯びで免停 JRバス関東宇都宮支店 

 同社宇都宮支店の越川信吾支店長によると、同社の男性運転手1人が99年、もう1人は00年にそれぞれ私有車の酒気帯び運転で30日間の免許停止処分を受けていた。2人とも仕事を休んで講習を受け、実質1日の停止処分で終わり、無免許での乗務はなかったという。

 同支店は今月上旬に全社員約70人の交通事故・違反歴を自動車安全運転センター栃木県事務所に照会し、福田容疑者が酒気帯び運転で免許停止処分を受けていた事実を14日に把握した。改めて19日に書類を確認した結果、さらに2人の処分が判明したため、支店長判断で2人を乗務停止させたが、翌20日に通常勤務に戻したという。

 同社総務部によると、勤務外で軽微な交通事故や違反をした社員を罰する内規はないという。【小出洋平】

◇運転手の指導徹底を直接指示へ 国土交通省 

 国土交通省は20日、再発防止のため運転手の指導徹底をバス事業者に求める方針を固めた。昨年7月のJR東海バスから飲酒運転が5件続く異常事態とみて、21日の日本バス協会飲酒運転防止対策会議で、同省自動車交通局長が経営トップらに直接指示する。

 バスの飲酒運転は前夜の深酒が原因の場合が多く、同協会は昨年10月に策定した防止対策マニュアルで、勤務前8時間や宿舎での禁酒のほか対面での点呼徹底、アルコール検知器の導入などを決定。健康診断結果や家族の協力で運転手の飲酒実態を把握するよう決めたが、勤務時間外の飲酒はプライバシーにかかわり、対策は進まなかった。このため同省は飲酒習慣に踏み込んだ指導徹底が不可欠と判断した。

 厳罰化だけでは運転手が飲酒を隠すことが考えられるため、21日の対策会議ではアルコール依存かどうかの判断や、自覚させながらの配置など具体的な対策を検討する。【前田博之】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030821-00000142-mai-soci