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2003年08月19日(火) 00時00分

ヤミ金被害急増 口座保全の動きも朝日新聞・

  山口組系暴力団によるヤミ金融事件で、警視庁は国内最大規模のヤミ金融組織を統括し、「ヤミ金の帝王」と呼ばれていた元暴力団幹部を逮捕した。関係者によると傘下の業者による被害は県内でも広がっているという。県警は全国初というヤミ金融事件の専従捜査部門「悪質金融事犯対策室」(太田定昭室長)を設置。主に首都圏に拠点を置く四十数社の業者を重点的に捜査している。業者の口座を保全し、被害回復を図る動きも出ている。   (中村信義)

  県警に今年6月末までの半年間に寄せられたヤミ金融など悪質な金融トラブルに関する相談は約2700件。昨年同時期の4倍で、急増傾向にある。

  高金利や暴力的な取り立てについての相談が中心で、勝手に口座に貸金を振り込む「押し付け融資」や、債務整理のために「返済能力を審査する」名目で現金をだまし取られたという被害の相談もある。

  このうちわずか数件は県内の業者だが、残りのほとんどが県外の業者とみられ、太田室長によると「県外での出張捜査がほとんど」だという。県警が7月に出資法違反(高金利)の疑いで摘発した栗原英男被告(23)=起訴済み=も東京都渋谷区のマンション内に事務所があった。

  ●他人名義で登録

  こうした業者は、他人名義で国や都などの貸金業登録を受け、実際には登録とは別の場所に事務所を持つことが多い。栗原被告が都に登録した際に名義を貸したとして、千葉県柏市の歯科技工士(22)も同29日に逮捕され、罰金50万円の略式命令を受けている。

  警察庁などによると、事務所を持たず携帯電話や電子メールを連絡先にして営業する業者も多いという。プリペイド式や他人名義の携帯電話などが使われ、関係者の特定が難しい。

  業者が返済の振込先に指定する口座は都銀の首都圏の支店にあることが多いが、実際は業者とは無関係の人物の名義がほとんど。ネットなどを通じて偽名口座を売る「口座屋」も存在し、特定をさらに困難にしている。

  ●「もっと活用を」

  一方、この口座を手がかりに、被害回復を図ろうという動きも出てきている。

  被害者が不当利得返還訴訟などを起こすと、業者が口座を変えることが多い。そのため、全国の弁護士会の一部は業者の口座の残金を裁判所の決定で差し押さえる方法を取り始めている。

  7月中旬には不当に97万円を支払わされた下越地方の40代の男性が業者の口座の保全を新潟地裁に申し立て、仮差し押さえを認める決定を受けた。

  だが、業者が入金直後に残金の大半を引き出していたことが判明。男性は本訴訟に切り替えたが、業者は既に廃業したとみられる。担当の弁護士は「それでも業者の素早い動きに対抗するにはもっと活用すべきだ」と話す。
(8/19)

http://mytown.asahi.com/niigata/news02.asp?kiji=4728