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2003年08月19日(火) 03時01分

子のアレルギー、学校実態調査実施へ 文科省が来年度朝日新聞

 ぜんそくやアトピー性皮膚炎といったアレルギー性の病気に苦しむ児童生徒が増える傾向にあることから、文部科学省は来年度、本格的な調査に乗り出す方針を固めた。専門家による研究会を設け、病気の状況や、学校がどう対応しているかを調べる。アレルギー性の病気に関して同省が包括的な調査をするのは初めて。アレルギー対策に学校が果たせる役割を明確にし、成果を学校での支援体制づくりに結びつける。

 学校の健康診断では、アレルギー性の病気にかかっているかは調査項目になっていない。これらは、症状があっても血液検査など複数の診断を経て初めて病名が確定されるのが特徴で、一度に多くの児童生徒を診る健康診断では十分な診断が難しく、学校現場での全体像はなかなか把握されていない。

 ただ、昨年度の学校保健統計調査では、ぜんそくの児童生徒の割合が小学校2.7%、中学校2.2%、高校1.4%と、いずれも過去最高だった。日本学校保健会の00年度の保護者に対するアンケートでは、医師から1年以内にアレルギーだと言われた子どもが、男子で18%、女子で16%にのぼった。社会的な関心も高まっている。

 研究会は、臨床医学や公衆衛生学の専門家で構成。取り組みは1年間で、食物アレルギーも対象にする予定だ。全国で患者数を調べる形式はとらず、健康診断で独自にアレルギー性の病気を調査している学校での取り組みや、特定の地域で患者の状況と学校での対応などを調べることを考えている。

 そのうえで報告書をまとめて教職員の認識を高めるとともに、集団生活や食事の指導などに生かしていく方針だ。

 文科省はこれまで、結核や性感染症など特定の病気について対応用の指導資料を作ってきた。ぜんそくには指導資料がある。食物アレルギーについては、栄養職員らが使う「学校給食指導の手引」で、「アレルギーの診断や治療を担当している医師の指示について保護者から十分情報を得ることが重要」と指導している。

 文科省の方針について、約600人が作る「食物アレルギーの子を持つ親の会」代表の武内澄子さんは「目に見えにくいアレルギーに理解が足りない先生は少なくない。これまで行政の取り組みも鈍かった。命にかかわる例もあり、先生が正しく理解し、発症した場合に適切に対応できる指針を作ってほしい。いじめなど、つらい思いをする子への心理的ケアも必要だ」と話している。(08/19 03:00)

http://www.asahi.com/national/update/0819/003.html