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2003年08月18日(月) 03時00分

ネット掲示板:書かれた教諭退職 学校の対応に保護者ら不満毎日新聞


 インターネット上の掲示板に、北九州市内の小学校名を明記し、ある男性教諭の問題点の指摘と、学校の対応への不満が書き込まれた。学校と市教委は問題を知っていたが対応を先送りし、書き込み後にこの教諭は自主退職した。書き込みをめぐって保護者間で対立が生じるなど、余波は続いている。

 7月15日、大阪市の非営利団体(NPO)「子どものための民間教育委員会」が開設するホームページに、教諭の言動の問題点を指摘すると共に「学校は『改善します』と返事するが、何も変わらない」などと匿名の書き込みがあった。市教委や同校の保護者らによると、7月初旬、教諭が児童の尻を叩くなどの体罰があり、それを見た別の児童がショックを受けて親に話したという。また同校では今年4月、少なくとも4人の保護者が学校側に「教諭の言動が子どもの心を傷つけている」と指摘。7月になって、保護者の一部が市教委に担任交代を要望していたという。

 書き込みを知った教諭は翌16日に辞職を申し出、校長は遺留せず18日に辞職願いを受理した。保護者の中には「教諭の言動は退職につながるほど重大なものではない」と擁護する声もあり、学校の頭越しに市教委に要望を持ち込んだことなどで対立が起きている。

 同NPOによると、ホームページへのアクセスは日に1万5000〜5万回。掲示板の運営規定は「個人名が載っている場合は削除するが、学校名に人格権はないので、内容に誤りがない限り削除しない」。今回も書き込みがあった直後、北九州市教委に「内容に誤りがあれば削除する」と伝えたが、回答はなかったという。

 市教委はホームページの書き込みによる同種のトラブルを心配するが「学校名の公共性については社会の議論に任せるしかない」と、NPOへの抗議などは考えていないという。一方、NPOの良井靖昌代表委員は「過去にも何度も同様の書き込みがあった。子供を預けており、面と向かって物を言いにくいのだろう。問題が明らかになって乗り越えることで、学校の風通しもよくなるはずだ」と話す。

 校長は「4月以降の様子などを保護者に尋ねてみる必要はあった。こんな大きな問題になるとは思わなかった。解決の方法を探している」と言う。一方、教諭の家族は「責任を取って辞めたのに、学校や保護者の間で問題が尾を引いているとは……」と割り切れない表情だ。【望月麻紀】

[毎日新聞8月18日] ( 2003-08-18-03:00 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030818k0000m040090000c.html