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2003年08月17日(日) 00時00分

“明日”の病院運営 東京新聞

 高知県立中央病院と高知市立市民病院は統廃合され、「高知医療センター」として二〇〇五年三月にオープンする。現在、建設工事中だ。その病院長に事実上、内定しているのが外科医の瀬戸山元一さんである。

 京都府舞鶴市民病院長当時に自治体病院では当たり前とされていた赤字体質を改善した。その手腕が評価されて島根県立中央病院長に就任し、電子カルテをもとに薬剤管理から会計までを一貫して行う「病院統合情報システム」を導入し、患者サービスを飛躍的に向上させた。

 そして今度が三度目の大仕事。新病院の設計から運営までの陣頭指揮をしているが、現地で話を聞いていて感心したのは、徹底して「患者中心の医療」を目指していることだ。

 情報開示はもとより、医療相談の窓口を設け、さらに医師控室と同じ階の「情報室」は患者にも開放し、医療情報を自由に入手できるようにする。通常の午前六時から午後十時までの診療に加え、日曜・祝日診療も行う。医療内容を理解してもらうため院内に患者教育の場も設ける。

 こうした患者サービスを支えるには病院経営の効率化が欠かせない。このため、建物建設から維持管理、患者への食事の提供、洗濯、清掃、物品管理などまで包括的に民間事業者に長期間委託するPFI(民間資本主導の社会資本整備)方式で経費節減を図る。役所の庁舎などではすでに導入されているが、病院では初めてだ。

 厳しい医療保険財政の中でも患者サービスの向上と健全経営の両立を目指し「日本の病院のモデルにしたい」と張り切る。ぜひ成功させてもらいたい。 (日比野守男)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/ronsetu/20030817/col_____ronsetu_000.shtml