2003年08月15日(金) 00時00分

世田谷で住基ネット停止 新型ウイルス　都庁、自衛隊にも （東京新聞）

　マイクロソフトのウィンドウズを攻撃する新種コンピューターウイルス「Ｂｌａｓｔｅｒ（ブラスター）」の感染問題で、東京都世田谷区が、十二日夕から住民基本台帳ネットワークシステム（住基ネット）の運用を停止していることが分かった。区によると、住基ネット自体への感染はなく、週明けにも運用を再開する。被害は十四日、自衛隊や東京都庁などにも広がった。

　世田谷区は住基ネットの本格稼働に備えてテストを実施。都のコンピューターに送る住民の情報更新を停止していた。今回の住基ネット停止も含め、十三日午後五時現在、転出入など住民票に変更のあった約九千二百件、約三千人分のデータを都に送信できなくなっている。

　同区役所では十二日午後以降、約二千二百五十台のパソコンのうち、庁内ＬＡＮに接続されている約百台が感染。住基ネットも不正アクセスを防止するファイアーウオール（障壁）を通じ庁内ＬＡＮにつながっている。

　区の担当者は「過剰反応だったかもしれない。ただ、ウイルスの詳しい情報もなく、百パーセント安全とは言い切れなかった」と話している。

　防衛庁によると、航空自衛隊の基地三カ所で感染を確認。いずれも同日中に駆除作業が終了する見通し。都庁では職員用のパソコン約三百台が感染していたことが確認されたが、大半は同日中に除去を終えた。警察庁によると、新種ウイルスの活動とみられるアクセスが、国内の警察のコンピューターネットワークに一時間約三百件の割合で続いている、という。

　経済産業省は緊急連絡窓口を十五日に開設し、十六日からウイルス関連の「緊急情報」を同省ホームページで公開。マイクロソフト日本法人は、問い合わせ臨時窓口＝（０１２０）６９０１９６＝を設置した。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20030815/mng_____sya_____009.shtml