2003年08月15日(金) 00時00分

「名義貸し」北大の95人　月平均15万円の報酬（朝日新聞・）

調査結果報告　　　医局関与の疑いも

　　北大医学部は、在籍する教員や大学院生約１１００人を対象にした「名義貸し」の調査結果をまとめ、１４日までに道などに報告した。勤務実態がないのに常勤医などとして扱われる「名義貸し行為」は９５人。非常勤なのに常勤医並みに社会保険加入の便宜を受ける「名義貸し類似行為」に２２９人がかかわっていた。両方の行為があった医師も４７人おり、「名義貸し」の実数は２７７人だった。多くは大学院生で「医局から病院の紹介を受けた」との証言もあり、大学側は医局の関与についても調べている。

　　同大によると、「名義貸し行為」にかかわっていた医師は平均で月額１５万円の報酬を得ていた。また、名義貸しを受けた医療機関は道内で約１２０施設にのぼるという。

　　調査は個々の医師の自己申告のため、同大は医局を統括する担当教授や医局長から「名義貸し」へのかかわりについて事情を聴く方針。また、過去５年間に同大の講座などに籍を置き、現在は他の病院や研究機関に移った約１２００人についても調査を続けている。

　　西信三・医学部長は「何もしないで報酬をもらうという行為が不自然だと気付くべきだった。調査をすると、医局の先輩からの紹介や引き継ぎをしたという、長い間続いていた慣行のような面もあったようだ」と話している。（8/15）

http://mytown.asahi.com/hokkaido/news02.asp?kiji=5382